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「おいおーい、コブラちゃぁん。なーに甘えた声出してんのやー」
「出してねぇ」
「おおっ!部屋が綺麗になってる!」
「本当だっ」
「コブラッ。調子はどーよ?」
一気に騒がしくなった部屋。
あたしはお粥を温めに1階へと下りた。
ポカリや桃缶などを冷蔵庫に締まってお粥を温める。
この調子なら、これを食べさせて薬を飲ませたら無名街に帰れそう。
ずっとタケシとピーが頑張ってるから、少しでも休ませてあげたいし。
「よしっ」
温まったお粥の鍋とお皿とスプーンにお水を持って2階へ。
2階はワイワイギャーギャー騒がしい。
病人の部屋で騒ぐのはどうかと思うけど、いつもその中でコブラも楽しそうにしてるから、彼にはこっちの方がいいのかも。
部屋に入ればヤマト達四人がテーブルに買ってきた弁当を広げていた。
「はい、コブラ。熱いから気を付けてね」
あたしは邪魔にならないところに座り、お粥をお皿に注いでコブラに。
「……ああ。ありがとう」
「大丈夫?食べれる?辛いならあたしが食べさせて……」
「ハイッ!!ハイッ!!俺、食べられへんっ!!」
元気よくダンくんが手を上げる。
食べられへんて。
そんなに弁当を広げといて?
「お腹痛いの??」
と聞けば
「いや、あの……そうやな……」
「「「「ブハーーーッ!!」」」」
「!!??」
微妙な表情のダンくん以外が突然吹き出した。
何事!?
「笑うなやっっ」
ダンくんがテッツ達に殴りかかる。
「暴れるなっっ!!もう一発くらいたいの!?」
ホコリがたつでしょ!!
病人もいるのにっ!!
鬼のような形相で怒れば
「「「すみませんっっ」」」
と3人仲良く謝ってきた。
何故だろう、無名街の弟妹を見てる気になるのは。
明らかにあたしの方が年は下のはずなのに。
「Aは飯食ったのか??」
もう食べ始めてるヤマトが聞いてくる。
コブラも食べ始めたのを見て、あたしは頷いた。
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作者名:めっこ | 作成日時:2019年9月1日 13時