(20) ページ22
「横になれ」
「いやいや、せっかくROCKYが来てくれて……」
「いいから寝ろ。絶対安静だろーが」
「そんな大袈裟な……」
「寝ろ」
そう言われ、ROCKYの手でベッドに寝かされる。
「KOOも来たがったんだが……」
「KOOも？」
「ああ、だが俺達二人が抜けたら店が心配だからな。置いてきた」
少し険しくなったROCKYの表情。
「心配って何か……」
「大したことじゃない」
「あたしに出来ること」
「絶対安静」
「むー」
「ハハッ」
笑われる。
「KOOから伝言だ」
「ん？」
「『早く良くなって、また可愛い笑顔を見せてください』だとよ」
「可愛っ！？」
可愛い笑顔！？
「お前が笑うとポッと明かりが灯ったように暖かい気持ちになんだよ」
「のあっ！？」
そんな大層なもんじゃないよ！！
あたしの笑顔はっ。
恥ずかしくて布団で顔を隠す。
「ククッ。俺らにはそう見えるんだよ」
「ううー」
それは身内フィルターってやつでは！？
「ううーっ」
恥ずかしい。
そうするとお腹をあやすようにポンポンと叩かれた。
やっぱりお父さんみたい。
「今、お父さんみたいって思ったろ」
「うっ！？」
「俺はまだ、んな年じゃねえぞ」
「ハハッ！！」
「笑い事じゃねぇ」
と怒ったように言うROCKYも笑ってる。
「お前の笑顔も見れたし、帰るか」
「！？もう！？」
「見張りの目もあるしな」
「見張りの目??」
と、ドアの方を見ると、タケシとピーが少しだけ顔を出してこっちを見ていた。
本人達は気づかれてないと思ってる所が可愛いお兄ちゃん達だ。
「見舞いの品はスモーキーに渡してある。後で食べろ」
「見舞いの品？」
「……まさか高い物なんじゃ……」
ROCKYのことだ。
「さぁな」
「貰えないよっ」
「バーカ、高くねぇよ。果物だ」
「果物？」
「じゃあな」
「あ、ROCKY！！」
「あ？」
「心配してくれて、来てくれて、ありがとう」
「ああ。元気になったらまた店を手伝ってもらうぞ」
「うん！！」
「おやすみ、honey」
「おや……す…み、ROCKY」
頭を撫でられ、急に眠気が襲ってくる。
それに逆らうことなく眠りについた。
ROCKYの優しい笑顔に見守られながら。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 248人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めっこ(プロフ) - カーミラ吸血姫様、コメントありがとうございます。そうですね、二人とも父と兄のような存在ですもんね。だから睨んでもおかしくないですよね。 (2020年7月4日 21時) (
レス) id: ee0d4ae05a (このIDを非表示/違反報告)
カーミラ~吸血姫~ - 達磨さんとﾋﾛｲﾝが付き合うことになったってスモーキーとROCKYが知ったら…二人共達磨さんのこと睨んでいたかも…(゜゜;) (2020年7月4日 10時) (レス) id: 85a8913771 (このIDを非表示/違反報告)
亜李須(プロフ) - めっこさん» いえいえ！自分も昨日WOWOWでまた見たら燃えてしまって…wまたどハマりしてしまい…w こちらこそよろしくです！！ (2019年8月15日 12時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
めっこ(プロフ) - 亜李須様、コメントありがとうございます！こんな拙い文章を読んでくださり、本当にありがとうございます。最近ハマってしまいまして！頑張ります！これからもよろしくお願いいたします。 (2019年8月15日 10時) (レス) id: ee0d4ae05a (このIDを非表示/違反報告)
亜李須(プロフ) - 最高です！！頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年8月15日 9時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めっこ | 作成日時：2019年7月23日 13時
