(15) ページ17
ただ立っているだけなのにビリビリと空気が震える。
スモーキー……怒ってる？
「……何故お前がここに居る??」
『あ"？』
日向さんを睨むスモーキー。
……ん？
何か勘違いしてる？
「「スモーキーッ！！」」
エイジとシノがスモーキーの足に抱きついた。
「エイジ、シノ……お前達」
ニコニコ笑う二人の頭をスモーキーが優しく撫でる。
「アイリの外出に付いて行こうって……無名街を出たら」
「急に車に押し込められて……」
その時の恐怖を思い出したのか、ギュッとしがみつく二人。
「でもっっ」
「でもねっAとお兄さんが助けてくれたんだよっ！！」
「「カッコ良かった！！」」
「……お兄さん??」
誰だ？と首を傾げるスモーキー。
『俺のことをに決まってんだろーが』
「……冗談は顔だけにしろ」
『あ"あ"??』
なんで！？
なんで睨みあってんの、この二人！？
『やんのか、コラ』
「受けてた……」
「スモーキーッ！！」
薬のせいか、徹夜のせいか、眠くなってきた。
その中で必死にスモーキーを呼ぶ。
ダメだよ、日向さんは恩人なんだから。
「Aッ」
スモーキーがこっちを見てくれる。
色素の薄くなった瞳と目が合う。
その瞬間、切れ長の瞳が悲しそうに歪む。
……ああ、心配させちゃった。
「酷い怪我だ……」
大きな手が伸びてきて頬を撫でてくれる。
そんな顔しないで。
だってこれは
「家族を守るため……だから……大丈夫……」
……ダメだ、限界。
「Aッ！！」
「「Aッ！！」」
グラッと傾いたあたしの体をスモーキーが抱き留めてくれる。
太陽の匂い。
スモーキーの匂い。
一番安心する場所。
だけど
「……助けてもらった……の」
これだけは言っておかなければ。
日向さんは無名街とか関係なく優しくしてくれたんだ。
……心配してくれたんだ。
「……助けて……くれたの」
だから
「わかった。わかったから、今は休め」
柔らかなスモーキーの声に勝てるはずもなく、あたしの意識はそこで途切れた。
「……来てくれ…て、あ……がと」
スモーキー。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 248人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めっこ(プロフ) - カーミラ吸血姫様、コメントありがとうございます。そうですね、二人とも父と兄のような存在ですもんね。だから睨んでもおかしくないですよね。 (2020年7月4日 21時) (
レス) id: ee0d4ae05a (このIDを非表示/違反報告)
カーミラ~吸血姫~ - 達磨さんとﾋﾛｲﾝが付き合うことになったってスモーキーとROCKYが知ったら…二人共達磨さんのこと睨んでいたかも…(゜゜;) (2020年7月4日 10時) (レス) id: 85a8913771 (このIDを非表示/違反報告)
亜李須(プロフ) - めっこさん» いえいえ！自分も昨日WOWOWでまた見たら燃えてしまって…wまたどハマりしてしまい…w こちらこそよろしくです！！ (2019年8月15日 12時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
めっこ(プロフ) - 亜李須様、コメントありがとうございます！こんな拙い文章を読んでくださり、本当にありがとうございます。最近ハマってしまいまして！頑張ります！これからもよろしくお願いいたします。 (2019年8月15日 10時) (レス) id: ee0d4ae05a (このIDを非表示/違反報告)
亜李須(プロフ) - 最高です！！頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年8月15日 9時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めっこ | 作成日時：2019年7月23日 13時
