九十話という名の【渋谷事変】 ページ42
『！っ、甚爾さん！』
地面に倒れた甚爾さんの体を支える。
だが、既に甚爾さんは亡くなっていた。
恵は甚爾さんの事を気にしているのか私の方に視線を寄越すが、今は聞いてこないみたいだ。
『恵、今反転術式で治すからこっち来て……っ避けろ！』
「っ！？｣
脇腹に重症を負っている恵を治すため、こちらに呼び寄せるとその後ろから気配がする。
避けろ、とは言ったものの間に合うはずがなく、恵の体から血が舞う。
春太「これこれ、こーいうのよ！！
こーいうのが向いてんのよ！！｣
そう言いながら笑うやつに目掛けて攻撃を仕掛ける。
『茈赫・影操』
しかし致命傷を与えるまでには行かなかった。
その時、恵が口を開く。
恵「俺の【十種影法術】は最初にまず2匹の玉犬だけが術師に与えられる。
それ以外の式神を扱うにはまず術師と玉犬で調伏を済ませなければならない。
手持ちの式神を増やしながらそれらを駆使し、調伏を進めることで十種の式神を手にすることができる。｣
淡々と自分の術式の事を話し始める恵。
その間に傷を手当てするが男もいるので警戒しながらやるので治癒が追いつかない。
春太「……終わり？さっきの女の子もそこの女の子もだけど、皆すごく強いね。若いのに。
ボロボロなのに俺に近寄るスキを見せない。でもその出血じゃ俺がなんにもしなくたってほら｣
『恵！』
交差点の真ん中で倒れかけた恵を支える。
私に体重を預けながらもまた話し始める。
恵「調伏はな複数人でもできるんだ。だが複数人での調伏はその後無効になる。
つまり当の術師にとっては意味の無い儀式になる。
でもな意味はないなりに使い方があるんだ。｣
……このまま行くと多分恵はこの男を儀式に巻き込むのだろう。
それはいいが、私が式神を倒せるかが問題だ。
さっきの甚爾さんの攻撃が効いている。勝負をつけるのは時間の問題かな。
すると急に地震とも思える大きな揺れが襲ってきた。
っ……誰か戦ってるな……
恵「続きだ。要は式神は調伏しないと使えないが調伏するためならいつでも呼び出せるんだ。
歴代十種影法術師の中にコイツを調伏できた奴は一人もいない。｣
春太「_____________まさか！！待て！！｣
恵がそこまで言うと相手は気が付いたのか此方に向かってくるがもう遅い。
【布瑠部由良由良
九十一話という名の【渋谷事変】→←八十九話という名の【渋谷事変】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 509人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くーく812(プロフ) - プスメラさん» 初めまして、コメントありがとうございます！ 今の所、この小説のオチは未定ですが、五条悟オチにしようと考えております (2021年2月2日 17時) (
レス) id: a492753dce (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？お願いいたします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月25日 14時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くーく812 | 作成日時：2020年4月27日 17時
