マッチの火 ページ1
1年A組 21番 ヒーロー科 流川A 15歳
新しい学生証。
写真は変わらないのに、なんかきらきらしてる気がする。
「Aちゃん、学生証変わったのね。」
梅雨ちゃんだ。
『なんか恥ずかしいなぁ…』
顔が少し火照る。
「そんなことないわ。素晴らしいことよ。」
そういわれて、また顔が赤くなる。
『そーお？えへへ。』
歩きながら話していると、後ろから声がした。
「あ、あの子。」
「あれがヒーロー科？ウソ、冗談やめてよ。」
「だってあんたも見たでしょ？アレが先生にヒーロー科って言われたトコ」
「そーだけど。やっぱりカラダ？」
「ねー聞こえるぅー！！」
耳を塞がれた。
この手は、
「聞くことなんかありませんわ。」
「そーだよ？あ、パインアメ食べる？」
百ちゃんとお茶子ちゃん。
『ありがとう。パインアメ、ほしいな。』
”被害者ぶるなよ。ブスが。”
ぱりん。
ぱきん。
心が割れる。
もう、これ以上は＿＿＿＿
「なぁ。そこの。」
「っと、轟く…」
「なに？もしかして＿＿＿」
「お前ら、文句あるならほかの高校の編入試験受けろよ。」
「っえ？」
「耳障り。」
まただ。
また、助けてもらっちゃった。
『ありがとう。』
あぁ、すきだな。
「お前、小さい頃から心配だから。」
『へ？』
「手を繋いどかないと、一人で遠くに行きそうで。」
「あぁ、わかりますわ。」
「私もたまに母性くすぐられるわ。」
「あるある！」
『えぇ〜？』
こうやって、笑ってる時だけ、
私は自分でいられる。
続く
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作者名：もた | 作成日時：2020年8月13日 13時
