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「待って!!」





蛍にもついに春かあ…と、途方に暮れていたら後を追って来たのか蛍の声が聞こえた。





「蛍?あれ、本命さんには渡さないの?」

「今から…っ、渡す…」





走って来て所為で息が荒い。
とりあえず深呼吸して落ち着かせようとベンチに座った。





「大丈夫?」

「もう、大丈夫。ごめんね、突然」

「ううん、私は大丈夫だよ。それよりどうしたの?」





息を整えた蛍は私に向き合うと、先程買ったチョコレートを渡した。
私はそれを受け取ると蛍の顔を見た。





「えっ…?」

「バレンタイン、去年はミヤに先越されたから」

「去年……って私?」





何が起きてるのか分からず、咄嗟に受け取ってしまったチョコレートを私は蛍に返した。






「受け取って欲しい。今、返事は要らないから」

「えっ…と…」

「ずっと好きだったから、目で追いかけてた。まだ…ミヤが好きでしょ」





目を見開く私に蛍はやんわりとチョコレートを押し返す。
雑に扱い、少しくしゃくしゃになった袋。





「でも、待ってるから。Aちゃんがミヤをちゃんと諦めきれるまで」

「いつか分からないよ…もしかしたら蛍じゃない人を好きになってるかもしれないじゃん」

「確かにそうかもしれない。だけど、例えたとえフラれると分かっていても信じてるから」





それだけを言うと、蛍は小さく微笑む。
待っている事も、信じている事もとても辛いはずなのに。





「ごめ……ッ…」





私はそんなに涙脆いはず無いのに…。

椿や蛍が抱いている感情を私は分かってあげれなかった。
蛍はハンカチを取り出し、私の目元にそっと当てた。





「大丈夫だよ」

「ごめん……ごめんね…ありがとう……」





私は小さく「待ってて」と呟いた。





花言葉 「信じる恋」







バレンタイン / 椿 蛍→←エゾギク / 輝崎蛍



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蒸田。(むしだ)(プロフ) - くっ…蛍からチョコを貰いたい人生だった… (2019年2月17日 7時) (レス) id: f91a58f64c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花言葉企画参加者一同 x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年2月14日 22時

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