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コンビニに入店し、坂田はパン1つを手に取る。
坂田にアイスでも買ってやるか、とか思っていたが彼の満更ではなさそうな態度に異様に嫌気がさしたので辞めた。
「あれ、うらさんなんも買わなくてええの?」
「あぁ、なんか腹いっぱいなんだよな。」
「へー、珍し。うらさんこのコンビニ来たら必ず期間限定のパン買うのに。」
「腹減ってないんだよ…。てか、会計早くしろ。」
「はぁ〜い。」
ふんわりと発音された相槌はどうにも人間として嫌いになれない要素が沢山詰まっている声質。
多分、彼の人間性からして喋ったら最後。彼の事を嫌いになれないのだろう。
Aちゃんの表情や言葉で心もお腹も全てが満たされている。幸せな身体に俺はなっている。
坂田、には相談してみたいけどAちゃんを知られるのはとっても嫌で。
自分の中の独占欲と嫉妬心が絵の具のように心に染った。
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「イートインやってないかぁ…」
「いや、アホか。今何時だと思ってんの。やってないに決まってるじゃん。」
「もぉ、賭けですよ!!!賭け!!!」
そんなくだらないことを次々と口から溢れる。
いつみても変わらない、アホで冗談を言うことしか取り柄のない僕。
唯一と言っても過言でもない相棒のうらさんには感謝してもしきれないほど恩があると言うのをいつも忘れてはいなかった。
彼には、沢山、山ほど救ってもらったから。
だからこそ、彼には真っ当で、綺麗な道を歩んでほしいと思う。
コンビニから出た僕らはゆっくり話したくて誰もいない、街灯だけが照らされた公園に入る。
小さな滑り台と、1つの2人がけベンチに僕らは腰をかけ世間話をした。
「うらさん、最近どお?」
「はぁ?…んー、まぁ、ぼちぼち。」
「センラと会社が同じだったとは思わなかったけど、仕事も上手くいってるし普通だわ。」
「あ、センラもなんか言うてたなぁ。」
「「うらたんと職場同じなんやけど!?!最悪!!」とか言うてた気がするわ。」
「うわ、あいつ…。絶対殴る。」
「ほどほどにしたってーやぁ〜!!!」
静かな公園では自分の笑い声がこだまして聞こえた。
あ、楽しいなぁ。
2人でいる時間も、他の仲間と4人で居る時間もとっても楽しくて、1番好きだ。生き心地がして大好きなんだ。
そんな時間を誰にも取られたくなかった。
「うらさん、彼女とか好きな人とか居らへんの?」
幸せな時間を取られたくないだけだ。
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ごしき(プロフ) - 束感まつげしかさん» コメントありがとうございます🥲💕私の作品に巡り会ってくれてほんとに嬉しい限りです🙏😭更新も何気なく、不束者の作品ですがご愛読の方よろしくお願い致します🙇♀️ (2023年1月31日 22時) (レス) id: 7aacfb800e (このIDを非表示/違反報告)
束感まつげしか - コメント失礼します🐱以前読んだことのある作品でもう一度巡り合ったので読み直しました◎💗久しぶりに続きも更新されていてわくわく感がすごいです😽愛読させていただきます◎💗 (2023年1月31日 22時) (レス) @page18 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
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