【声優】最愛を選んだ日【鈴木達央】

case:014《side：前野》 ページ15

．



「も〜、前野くん聞いてよ〜！」

まだ人もまばらな収録前のロビー、台本に目を通していると隣にやってきたのはうんざりとした様子の下野さんだった。

「どうしたんですか？」

「さっき廊下で女の子たちに囲まれて達央さんって彼女いるんですか！？めちゃくちゃ問い詰められてさぁ〜」

たつに彼女？

…まあたまにいき過ぎなところもあるけど、気配りとか出来るしたつには男女問わず人を惹き寄せる力があるとは思うけど、…それにしても急だな。


「なんか先週みんなで飯行ったときに話してたらしいじゃん 彼女のこと」

「え、え？たつがですか！？」

思わず大きな声を出してしまった。


下野さんが女性陣に聞いた話によれば店を出たあとたつが電話をしてて、周りが冷やかしたところ彼女と認めたとかなんとか…。

先週のご飯には俺も行ってたものの、店を出たところで忘れ物に気づき、取りに帰ったからみんなとは別で駅に向かった。


「前野くんも知らないのか」

「そういう話は俺とはしづらいんじゃないですかね」

たつとは何かと共演が多い。

必然的に一緒にいる時間も話をする機会も多いけど、年齢も年齢だし愛だの恋だの相談する仲ってわけではない。

それにたつは恋愛においては、人の意見に耳を傾けるってより自分の思ったようにするってタイプだろうしな。


「にしても女性は好きですね そういう話」

「まあ火のないところに煙は立たないって言うしね」

火のないところに煙は立たない、か。


たつの彼女と言われて真っ先に浮かんだ人がひとりいるけど、なんの確証もないし、本人に聞いたわけじゃないから断定もできない。

そのせいなのか、胸がモヤモヤとする。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

R指定入りそうな描写はヌルッと避けてるのですが、読みたいですかね？そもそもわたしに文章力がなくて避けてるのもあるんですが・・(@みたらし)



．

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←case:013《side：鈴木》

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す