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「賢ちゃん遅くなってごめんね」
河井さんの家を出て足早にうちに帰ると玄関には綺麗に靴が並べられていて、賢ちゃんが来ていることを知らせる。
「お、おかえり!俺も急にごめんな」
リビングのドアを開けば申し訳なさそうに謝る賢ちゃんは座っていたソファから立ち上がり、わざわざわたしの方へとやってきてくれた。
「ただいま」
「遅っかってんねん今日 仕事?」
「えっとね、友達とご飯にいってた」
賢ちゃんの問いかけに、嘘をついた。
普段から外食はあまりしないし仕事が終わればすぐ家に帰る、そんなわたしが家にいなかったことを賢ちゃんはめずらしく思ったのだろう。
「そっか」
着ていたアウターをハンガーにかけようと手を伸ばすと後ろから突然賢ちゃんが抱き寄せられた。
「え どうしたの?急に」
「いやなんでもない」
ひさしぶりに触れられた賢ちゃんの温もりがブラウス越しにじんわりと伝わるのがわかる、ずっとこうして触れたかった。
「はぁ ごめん お風呂借りるわなぁ」
少しの間だけわたしを抱き締められていた腕を緩めると、賢ちゃんはそれだけ言い残してリビングを後にした。
なぜだろう。
目に映った賢ちゃんは一瞬だけ、苦しそうな顔をした気がした。
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みたらし(プロフ) - ゆずさん» ゆずさんはじめまして、この度は数ある作品の中から目を通していただきありがとうございます!感想とっても嬉しいです( *´ω`* ) 早く続きをかけるよう努力いたします、温かいお言葉ありがとうございます! (2019年9月17日 23時) (レス) id: d1fa9ff20a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 初めまして!今日一気に読んできました!本当にその情景が浮かんできて、スクロールする手が止まらなかったです!更新楽しみにしてます! (2019年9月16日 15時) (レス) id: a5f5480ecc (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - はい!ありがとうございます!楽しみにしてます! (2018年6月28日 22時) (レス) id: 0344a2b415 (このIDを非表示/違反報告)
みたらし(プロフ) - あやのさん» あやのさんはじめまして、コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ そう言っていただけてとっても嬉しいです、これからもゆっくりかと思いますが更新していきたいと思ってます…! (2018年6月28日 19時) (レス) id: bb2f12d2fb (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - このお話大好きです!更新楽しみにしてます! (2018年6月26日 0時) (レス) id: 0344a2b415 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みたらし | 作成日時:2018年4月7日 22時