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河井さんのご好意に甘えてシャワーだけ借り、家に帰って服を着替えてから職場へと向かった。
今朝の賢ちゃんからの電話で心のモヤモヤは加速し、考えないようにしたい気持ちはあっても今からの収録は賢ちゃんも一緒で…。
「はぁ」
「なんや まだ暗い顔しよんか?」
ため息をついていたのを見ていたのか、朝ぶりに会う河井さんはわたしにそんなことを言うのであった。
「河井さん…」
「お前からやと渡しにくいか思って取りに来た」
たしかに河井さんの周りにはいつも先輩も後輩もたくさんいて、いつどのタイミングで渡せばいいのか考えていた部分はあった。
本当にこういうところ気遣いすごいよなぁ…。
「ありがとうございます、はいこれ」
「ん」
アウターのポケットにしまっていた鍵を返すと、鍵をしまおうと鞄を開けた河井さんが何かを思い出したかのようにあっ、と小さく声を漏らした。
「どうかしたんですか?」
「あっいや、これ」
次は逆に河井さんから小さな紙袋を手渡され、何も思い当たる節がなくて頭のなかがはてなマークで大渋滞を起こしていた。
「なんですか、これ?」
「開けてみたらわかるわ」
そう言われて袋の中をのぞくとそこには
「わたしのリップ…!!」
「アホ!声でかいねん」
「ご、ごめんなさい ビックリしちゃって」
失くしたとばかり思っていたわたしのリップだった。
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みたらし(プロフ) - ゆずさん» ゆずさんはじめまして、この度は数ある作品の中から目を通していただきありがとうございます!感想とっても嬉しいです( *´ω`* ) 早く続きをかけるよう努力いたします、温かいお言葉ありがとうございます! (2019年9月17日 23時) (レス) id: d1fa9ff20a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 初めまして!今日一気に読んできました!本当にその情景が浮かんできて、スクロールする手が止まらなかったです!更新楽しみにしてます! (2019年9月16日 15時) (レス) id: a5f5480ecc (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - はい!ありがとうございます!楽しみにしてます! (2018年6月28日 22時) (レス) id: 0344a2b415 (このIDを非表示/違反報告)
みたらし(プロフ) - あやのさん» あやのさんはじめまして、コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ そう言っていただけてとっても嬉しいです、これからもゆっくりかと思いますが更新していきたいと思ってます…! (2018年6月28日 19時) (レス) id: bb2f12d2fb (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - このお話大好きです!更新楽しみにしてます! (2018年6月26日 0時) (レス) id: 0344a2b415 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みたらし | 作成日時:2018年4月7日 22時