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「そういえばさっきから何回も鳴ってたな」
何回もってことは大事な用事だろうか?そう思いかばんの中からスマートフォンを取り出しディスプレイを確認すると、表示されていた名前に動揺してしまう。
賢ちゃんーーー。
「賢ちゃんから?」
どこまでも察しのいい河井さんの問いかけに、手の中で鳴り響く電話をなかなか取ることのできないわたしは頷く。
「心配しとんちゃうか、出てあげたら」
「ん、でも…」
「俺は黙ってるし気にせんといて」
それだけ言うと河井さんは洗面所の方へと行ってしまった。
深く深呼吸をして、意を決して電話をとる。
大丈夫、きっといつも通り話せるから。
「もしもし」
「あぁ、やっとでたわ…」
「賢ちゃん…」
「もう心配してんで、大丈夫?」
通話口から聞こえる賢ちゃんの声はいつも通りの声色で、連絡が取れないわたしを心配しての電話だった。
「ごめんなさい、帰ってすぐ寝ちゃって」
「体調悪かったなら言ってくれたらよかったのに」
どうやら河井さんはわたしが頼んだ伝言をちゃんも上司に伝えておいてくれたみたいだった、あとでお礼言わなきゃ。
「飲み会だし邪魔したくなくて」
「アホ そんなん気にせんでええよ」
わたしが意識していたよりもずっと会話はスムーズに出来て、電話に出る前に感じた動揺や躊躇いは何だったのだろうか。
なんて、考えていた矢先だ。
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みたらし(プロフ) - ゆずさん» ゆずさんはじめまして、この度は数ある作品の中から目を通していただきありがとうございます!感想とっても嬉しいです( *´ω`* ) 早く続きをかけるよう努力いたします、温かいお言葉ありがとうございます! (2019年9月17日 23時) (レス) id: d1fa9ff20a (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 初めまして!今日一気に読んできました!本当にその情景が浮かんできて、スクロールする手が止まらなかったです!更新楽しみにしてます! (2019年9月16日 15時) (レス) id: a5f5480ecc (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - はい!ありがとうございます!楽しみにしてます! (2018年6月28日 22時) (レス) id: 0344a2b415 (このIDを非表示/違反報告)
みたらし(プロフ) - あやのさん» あやのさんはじめまして、コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ そう言っていただけてとっても嬉しいです、これからもゆっくりかと思いますが更新していきたいと思ってます…! (2018年6月28日 19時) (レス) id: bb2f12d2fb (このIDを非表示/違反報告)
あやの(プロフ) - このお話大好きです!更新楽しみにしてます! (2018年6月26日 0時) (レス) id: 0344a2b415 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みたらし | 作成日時:2018年4月7日 22時