瞳に溺れてく【黄】 (ページ2)

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彼の声が薬のようにわたしを溶かす。

彼がいいのならばいつまでも一緒にいたい。

「うん、そうしよっか！」

狭い店内に、カランカラーンとベルの音が響く。

奥から出てくる黒髪ロングの大学生くらいの女性。

そんなきれいなお姉さんの緑のエプロンに申し訳なさそうに付いた新人バッジ。

そんなバッジが彼女の可愛さを更に演出しているのではないかと思う。

「はーい、いらっしゃいませ、お席のご希望などはありますか？」

「あ、いえ特には」

口をつむり、しゃべりながら頷く彼を横から見ている。

近いはずなのにどこか遠く感じる距離に切なくもなる。

「ではこちらの席へどうぞ、」

窓際の席に案内され、座ってすぐメニューを開く。

「あ～、じゃあ俺ブラックで。」

「あ、じゃあ私もそれで」

「苦いで？飲めへんかったんちゃうん？」

「飲めるよ！.......多分。」

そか、と笑う。

「すいませーん、ブラック二つ、片方には砂糖もお願いします。」

ちょっと、と笑うと

彼はいたずらな笑顔を向けながら

「飲めへんやろ？」

と言った。