Cornouiller (ページ32)

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『あ…待って…っ…俺も出そうだから…』
「いいじゃん、おれもなすに気持ちよくなってほしいもん」
『……あのさ龍我、俺…龍我の中でいきたいって、思って我慢してたんだけど…嫌かな…？』

つい先ほど初めてその柔らかさを知った唇と熱い吐息が耳元をかすめていく。その言葉を、龍我はどこかで待っていた。手を繋ぐより、キスより先を自分だけでなく雄登も求めていたことを感じられたようで、懸念となっていた不安も今は感じられない。
雄登の笑顔を見て安心したことを思い出し、龍我も口元に笑みを連れて小さく首を横に振る。そして、嫌じゃない、嬉しい。そう想いを込めてキスをひとつ。

「冬休みの予定、考えるはずだったのにね」
『そんなつもり初めからなかったでしょ？』

指先の温度しか知らなかった二人は、肌を重ねて心まで近くなったような気がしていた。二人が持っているものはやはり、幸福だけでこの空間を邪魔するものなど何一つとしてなかった。雄登の悪戯な問いかけに返事をしない代わりに、また口付けを、一度。お前と一緒ならなんだって、どこだって。こう伝えるのはもう少しお預けにすることにした。

Fin.