Cornouiller (ページ1)

今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:10,969 hit

些細な事で世界の均整は崩れ始める。　uknsry ページ1

.

※ 裏表現有

※ 成人済、同い年設定

※ 色々変えてます(？？)

※ NoSide

.

　『おい、笑うな』

雄登は右手に握っていたビール缶をぐしゃりと握りつぶした。
幸いに飲み干した缶だったから、中身が溢れることはなく、綺麗にぐしゃりと潰れた。

雄登の右手と、そして寄せられた眉に怒りは現れているというのに、それを気にするとことなく飛貴と龍我は腹を抱えて笑った。

　「だって、おまっ……それはフラれるわ」

　『初体験で制服着てほしいって… 』

二人の笑いを文字に起こすのであれば、きっとたくさんのWがついている。
辺り一面に草が生える程、飛貴と龍我は涙を流しながら笑い転げ、その二人を恨めしそうに雄登は睨みつけた。

　『だって！先輩が制服を貸してくださったんだぞ！あの名門お嬢様学校の制服を！！』

雄登は別の意味で目にいっぱい涙を溜めながら壁に掛けている可愛らしい制服を指差した。

そこにはハンガーに丁寧に掛けられたブラウンと白を基調とした清純さと愛らしさを兼ね備えた制服が輝いて存在を示していた。

その制服は雄登だけでなく、男子校出身であれば誰もが夢を見た憧れの象徴だった。

雄登たち3人が通っていた男子校の隣に、そのお嬢様学校はあった。

男子ばかりの世界に "女子" という存在だけでも刺激的なのに、その可愛らしい制服を身に纏った女子達は一段と眩しく、輝かしい存在だった。

そんなお嬢様の女の子を彼女にするのに憧れた高校生活。結局彼女は出来なかったが、雄登は大学生になって念願の彼女が出来た。

付き合って、3回目のデートで事件は起きた。
大学生になり一人暮らしを始めた雄登の部屋に彼女はやって来た。

彼氏の家にやって来た彼女は、心なしか少し頬が赤かった。照れている様子が可愛かった。
もちろん雄登もどきどきしていた。この先の展開に。

そんな初々しい雰囲気の中、雄登は彼女に言った。

　「この制服、着てくれない？」

　『はぁ〜？やだ！変態〜！』

迫り寄る龍我を裏声で押し返した飛貴は、二人してそのまま腹を抱えてケラケラと笑った。
そして好奇心を目に輝かせた龍我が、雄登に楽しそうに尋ねた。

　「どう！？再現出来てる？こんな感じでフラれた？！」

　『あーもう！はいはい！その通り！そんな感じでフラれたよ！！』

　「まじか」

.