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どんな涙よりも ページ26

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Aside



家に向かってた足を私は急いで逆方向に進めた
向かった先はもちろん、翔吾くんのところ



翔吾くんとはーくんは私のモノ、なんて
欲張りな事は言っちゃダメだったんだ
元から好きにならなければよかった

…出逢わなければよかった って何度も思った



だけどだめだった、いつも辿り着く答えは

「 翔吾くんと一緒にいなきゃ 」

ずっとそう考えてた、それが正解だと思ってた






だけど、私にできることは




翔「A?どうしたん?」




いつも優しい声で、笑顔で
私を迎え入れてくれる翔吾くんと
ちゃんと向き合うこと。


それが翔吾くんに私からできる、

……最後の事なんだ。




『っ翔吾くん、話がしたいの』


翔「…わかった。とりあえず中入ろ?」


『っここでいい、すぐに終わるから』




翔吾くんの家の前で、ふたり立っていた
私達の間には白い雪が降ってきた


白くて、儚くて、綺麗な雪


私の心も、雪みたいに白くて綺麗だったらよかったのに。



翔吾くんの目を見つめて、息を吐いた
そして、ゆっくりと声を発した




『…あのね、私やっぱりはーくんが好きなの、
だから、「A」っ翔吾くん?』


翔「…俺、何があかんかった?笑
いつもAだけを想って生きてきた。この6年間、ずっとAの事を守ってきた。Aの傍で、ずっと。

…なのになんで、俺は、」




私の目を見つめながら、涙を一筋流した
その涙は、どんな涙よりも美しかった

…ああ、私はこんなに翔吾くんの事を傷付けてたんだ


翔吾くんを傷付けたくない って思ってたのに
私の不器用な愛のせいで、沢山傷付けてた
気付かないうちにこんなにも、沢山。




『…翔吾くんが居なかったら、いま私は生きてないと思う。
翔吾くんの優しさにいつも助けられてたの。
Aって優しく呼ぶ声も、笑顔も、全部私の生きる力になってた。

…だけど、今ははーくんなの、生きたいと思うのも、はーくんがいるからなの。

…沢山、傷付けてごめんなさい、
愛してるって、言えなくて、ごめんなさい、!』


翔「…A?おいで、」




翔吾くんが私に向かって手を伸ばした
そしてそのまま、ぎゅっと優しく抱き締めれた

…懐かしい温もりを、感じながら泣いた


私を抱き締める力が少しずつ強くなった
その腕は力無く小さく震えていて。






…私はただ泣くことしかできなかったんだ。





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さくらんぼ(プロフ) - ®?さん» お返事遅くなりすいません!期待に添えるように書いていくつもりですが、、笑 いい感じにその期待を裏切っていくかも知れませんよ??笑 これからも読んでくださると嬉しいです!! (2018年10月3日 19時) (レス) id: 883f9fddcc (このIDを非表示/違反報告)
®?(プロフ) - 翔吾くんオチ希望だったので今の感じが嬉しいです(;_;) (2018年9月23日 22時) (レス) id: 9064d531a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さくらんぼ | 作成日時:2018年9月22日 21時

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