O2+：4th

- 57. ページ36

*yoohei side





んー、なんか暑いな・・・。




Aちゃんを抱き締めながら眠った次の日の朝、
そう思って目を覚ました。




隣で眠る彼女の顔も
心なしか少し赤みが差している。




今日、気温上がるとか言ってたか？




傍らのスマホに手を伸ばして天気予報を確認するも
そんなことはなくて、
“例年並み” という言葉が並んでいた。




布団から起き上がってみても、
空調をちゃんと稼働させてるから特に暑くはない。




・・・てことは、Aちゃんか？




「Aちゃん、だいじょぶ？」

「ん、・・・？」




眠っていた彼女を起こすと
いつもよりぽーっとした顔付きで、
吐き出す息も熱く湿っぽい感じがした。




「あれ？もしかして熱ある？」

「え、そんなことないと・・・」

「そう？体、少し熱くない？」

「私、もともと平熱は高いので・・・、」

「そうなんだ」




ああ、それでかな？


Aちゃんと一緒に寝ると寝付きが良くなるから
不思議に思ってたんだけど、
もしかしたらそのせいかもってちょっと納得した。


あったかくて気持ちいんだろうな。




「ちょっとごめんね」




彼女のおでこに手を当てて、
体をきゅっと抱き締めてみて、


うーん、やっぱり普段よりちょっと
熱っぽいような気がするなあ・・・。




「とりあえず熱測ろうか？
体温計持ってくるからちょっと待ってて」




ピピピッと測定を終えた音がして体温計を取り出すと
液晶には37.2℃と表示されていた。




「ほら、やっぱり熱あるよ」

「でも私、日中は7度近くまで上がるんで、そんなに」

「てことは昼間になったらまだ上がるんじゃない？
風邪かな？」




それとも彼女の状況を考えれば、
不安からくる体調不良かもしれない。




「洋平さん、風邪薬ありますか？」

「あるよ、すぐ飲む？持ってくるよ」




“風邪” の言葉にハッとした様子の彼女にそう言われて、
熱に効く風邪薬ってあったかな？と思いながら
寝室を出た。





*

- 58.→←- 56.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す