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*
「すげえ眠そうだね？気にしないで寝ていいよ」
俺がそう言うと「じゃあそうします」って
素直に横になった彼女が寝ぼけた声で
「きょう帰り、眠、くならな、・・ように、」
ってつぶやいて。
今日帰り・・・？
眠く、ならない・・・？
彼女の言葉がぐるーっと頭を一周して
「え、なんで！？今日帰んの！？」
まさかこんなすぐに帰ると思ってなかったから
理解するまでに時間が掛かってしまった。
いやいや、待ってよ！
もう帰るつもりでいるの！？
限定ライブの日から泊まってもらってるとはいえ
あんまり一緒に居れてないし。
今日だってAちゃんバタバタしてて
一緒に居たって感覚あんまりないし、
俺、まだまだAちゃん不足なんですけど！？
「Aちゃん？ほんとに帰んの？」
「・・・ん、」
俺の問い掛けに
眠そうな目をしぱしぱさせながら頷いて
「え、なんでよ？まだ夏休みあるでしょ？」
「・・暑さで・・部屋んなか、・・・大変そ、」
「えー、大丈夫でしょ？部屋くらい」
そんな理由で帰るなんて、
俺、全然納得出来ないんだけど！
「あ、・・・浴室、乾燥の、・・・」
「うん」
「乾、いたら・・・とま、・・・」
「・・・うん？乾いたら、なに？」
「・・・」
「Aちゃん？」
「・・・寝、・・・ます、」
「あー、・・・うん」
くそー！そんなに眠いかあ！
寝やすいようにって膝貸しちゃったから、
眠気に拍車が掛かっちゃったのかな？
だとしたら失敗した！
「あー、もー・・・」
睡魔に連れ去られて気持ち良さげに寝息をたてる
Aちゃんの横顔を眺めながら、
なんで帰っちゃうんだよ・・・って、
彼女が起きるまで悶々とした時間が続いた。
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作者名：叢雲
| 作成日時：2018年9月1日 0時
