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*
「気にしないで洗っちゃえば？」
「んー、でもTシャツも多くて。
干すのどうしようかなとか」
「ああ、ハンガーで干すと肩が伸びるのが
嫌なんだっけ？」
「そうなんですよー」
Tシャツの干し方にこだわりのある彼女が
困り顔してみせたけど、
俺はそんなAちゃんに困っちゃうよ。
今日は俺の隣にAちゃんを座らせて
至福の休日にしようと思ってたのに、
さっきから予定が狂いっぱなしなんですけど？
「乾燥機使えば？」
「・・・それはなんとなく嫌なんですよね」
ああ、そうだ。
Aちゃんは乾燥機嫌いだった。
昔と違って今は性能良いんだけど、
彼女的にはイマイチ信用できないらしい。
「じゃあ、服には浴室乾燥の方使ったら？」
「あ、そうですね。そうします」
そう言うとまた、
パタパタと俺から離れていってしまった。
.
結局その後も忙しなく家事をしていた彼女は
なかなかソファに落ち着いてくれなくて。
やっと俺の元に戻ってきてくれたと思ったら、
今度は映画を見ながらうとうとし始めた。
昨日のライブと、今日の家事も重なって
疲れちゃったかな？
元々俺とは違ってよく寝るほうだしなー・・・。
そう考えていたら「ん、・・・」って身じろいで
彼女がぼんやりと目を覚ました。
「眠いでしょ？寝てていいよ」
座ったまま、かくんと首を揺らすほどで
本当に眠そうだから
「横になる？膝貸すよ？」
膝の上にクッションを置いて、
「ほらここ」って彼女の体を軽く引っ張ると
眠気で力の入らない体は簡単にグラついて、
そのまま俺の膝の上にぱすっと倒れた。
*
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作者名：叢雲
| 作成日時：2018年9月1日 0時
