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無事にVIPが終わって、
とりあえずは一区切りついたかな。
そう思って自宅のソファに腰を下ろした。
やっぱり家が一番落ち着く。
せっかくAちゃんが来てくれたのに
忙しなかったけど、
明日からは少しゆっくり出来ると思うし。
期間限定同棲生活もこれからが本番かな、
なんて思いながらスマホを手に取ると
たくさんのメッセージが表示された。
あー、そう言えば打ち上げがあったし
全然見てなかった。
そう思って急いでチェックすると
先輩や後輩、見に来てくれた関係者から
ヤバイくらいたくさんのメッセージが届いてて。
うーわ、これ返すの時間掛かりそうだなー・・。
でも明日はゆっくりしたいし、
夜中だけど音楽関係者からが殆どだから
どうせ起きているだろうと返信することにした。
まだ眠くないし、
返せるだけ返しておこうと返信を始めると
「洋平さん、一応これ飲んでください」
彼女がハチミツ入りの紅茶を常温で持ってきた。
最近、ライブ終わりに俺が飲めるようにって
準備してくれるようになった飲み物。
実は彼女が昔から好きな、
俺にとっては先輩にあたるボーカリストが
喉に負担を掛けないように真夏でも飲み物を
常温で飲んでいることを知って。
それを知ってからは喉に良いっていうハチミツと
紅茶を常温で俺に用意してくれるようになって。
さっき俺が喉痛いなんて言っちゃったせいだなー
と思いつつも
「えー、冷たいの飲みたい」
「気持ちは分かりますけど」
「それにそんなに酷くないって言ったじゃん」
「一応ですから」
んー、まあ、そうだなあ。
スタジアムワンマンでちょっと頑張っちゃったし
最後にマイク通さずに「愛してるぜ！」って
叫んじゃったし、
喉に負担が掛かったかもってのは考えられる。
真夏だし、ほんとは冷たい方が
美味いに決まってるんだけどね。
それにその先輩は、
声量・歌唱力・安定感に至るまで
どれを取っても抜群で。
もしかしたら本当に効果があるかも？
なんて思えるくらいには説得力はある。
だからってすぐに真似したりはしないけど笑
「ん、じゃあいただきます」
Aちゃんが用意してくれた
ハチミツ入り紅茶を飲みながら、
途中になったメッセージの返信を再開した。
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作者名：叢雲
| 作成日時：2018年9月1日 0時
