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*
ケーキが早く食べたいからなんて
まだまだ子供っぽいところもあるな、
なんて思って。
まあ、そんなこと言ったら
俺も子供っぽいとこあるって散々言われてるし
洋平さんに言われたくないです、とか
反論喰らいそうだけど笑
「そんなに楽しみ？」
「前にお店の名前がついたケーキがあるって話したの
覚えてます？」
「ああ、うん。覚えてる」
確かお店と同じ名前のケーキを見つけて、
「このケーキいつか必ず食べてみせます！」って
妙な意気込みを見せたやつだよね？笑
「そのケーキ買ってきたんです。
それってお店の顔ってことじゃないですか？」
「あー、まあそうだね」
「そう思ったら、
もう、どれだけおいしいのかなって思って」
そう言ったあと、彼女の目がキラキラと輝いて
ものすごく期待してるのが伝わってくる。
「ふはっ、めっちゃ楽しみにしてるみたいだけど
あんまり期待しない方がいいんじゃない？笑」
「え、そんなの無理ですよ。
嫌でも期待値が上がっちゃいますってば」
「そう？がっかりしないといいけど」
「えー、有名店だし大丈夫じゃないですか？」
東京に来ると、まだ自分の住んでる場所にない
お店がたくさんあるのが楽しいらしくて、
俺が仕事でいない間に色々と出掛けてたみたい。
「迷子にならなかった？」
「・・・あ、・・えっ、とそれは、」
「なったんだ？笑」
「なってませんよ！・・・なりかけただけです」
「ふはっ、最初はどこ行ったの？」
方向音痴の彼女がお目当てのスイーツを買いに
出掛ける話は、
なにかの冒険話か武勇伝みたいで面白い。
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作者名：叢雲
| 作成日時：2018年9月1日 0時
