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*

「本日のリハーサル、これにて終了でーす！」

スタッフからリハ終了の合図が掛かって、
それぞれがわらわらとその場を引き上げ始めた。

「思ったより早く終わったね」

「飯でも行く？」

リハを終えた室内でそんな会話が飛び交う。

「洋平はー？飯行かねえ？」

「俺は帰る！
Aちゃんが用意してくれてると思うから」

こんな時は、手料理食べれるのいいでしょ？って
優越感にも似た気持ちが湧き上がってくる。

「あー、そっか。Aちゃん来てたね」

「夏休み？」

「うん、そう」

「じゃあ、しばらく一緒にいるんだ？」

「まあね、VIPも来るし」

「じゃあ洋平は手料理かー。
俺、最近食べてねえなあ」

「ずっと外食だと味も濃いし、飽きるよね」

「言えてる」

「いいなあ、手料理」

なんだよ、お前らもやっぱりそう思う？

どうしたって外食がメインになりがちだから
手料理ってだけで美味そうに感じるし、
その言葉の響きにも弱くなるよな。

それに、外の飯ばっかり食ってると
手料理の有難みがほんっとに身に染みるし。

そんな俺は、これから毎日手料理の予定だから！
羨ましいだろ？

なんて、Aちゃんが作ってくれることを
ちょっと自慢げに誇らしげに思っていると

「久しぶりに手料理食べたい」

「あー、優しい味付けでほっこりしたいね」

「それよりなにより、洋平のその顔！」

そう言ったメンバーが
全員で俺の顔をじっと見てきた。

*