- 14. ページ15
*
「ね、してい？」
「・・・ダメです」
「うっそ、なんで！？
今、めちゃくちゃいい雰囲気だったでしょ！？」
ちょっと待ってよ！
ここで拒否してくるとかおかしくない！？
今、完全にしてもいい雰囲気だったよね？
「どこにそんな体力があるんですか？
今日、倒れ掛けたんですよね？」
えー、うそーーー。
それはしっかり覚えてたんだ？
Aちゃん、めっちゃ冷静ー。
そこは流されてくれて良かったのにー笑
「だから、倒れてないって。
別に意識が朦朧としたとかいうわけでもないし」
「でも、それにしたって、」
「疲れてるとね、そういう気分が強くなんの。
子孫を残そうとする本能って聞いたことない？」
「それって動物の話じゃないんですか？」
「人だって動物でしょ」
「それはそうですけど」
「それに俺、割りと勘とか鋭いほうだから
そういう動物的なとこ強く残ってんのかも」
「だからってダメですよ？」
「えー？」
「えーじゃないですよ、もう・・・」
呆れかえったようなAちゃんに
「すぐVIPですよ？
通しのリハだってありますよね？」
って言われて。
確かに真夏の暑い中、体力は必要だと思うし
Aちゃんの言うことも分かる。
初のスタジアムワンマンライブを
失敗させるわけにもいかないかー・・・って、
そう思うことは思うけど。
「Aちゃんの言うことに一理あるけど」
「分かってもらえました？」
「んー、・・でもめっちゃしたいっ！」
「もー、洋平さんっ！？」
だってヤキモチ妬いてくれたAちゃん、
めちゃくちゃ可愛かったんだもん。
くすぐるように体を触って、
ふざけたようにキスを繰り返してたら
彼女が笑いながらジタバタし始めて、
「もうっ、だめったらだめですっ！」
「ちょ、どこ行くの！」
俺から離れようとする彼女の体に腕を絡めて
はしっと引き留めた。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：叢雲
| 作成日時：2018年9月1日 0時
