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*
あー、もう！
社会人経験もあるくせに、
俺としたことがうっかりしてた。
それにAちゃんもAちゃんだよ。
そういう大事なことは先に言っといてくんないと
ダメじゃん！
「じゃあ泊まり来て！」
「限定ライブの日ですか？」
「ううん、ずっと！」
「ずっと？」
「うん、夏休み中！」
「夏休み中ずっとですか？」
「そう！VIPも来るんだし、せめてそこまでは
大丈夫だよね？
あ、なんか他に予定ある？」
「今のところ予定は立ててないです」
「じゃあさ、限定ライブの日に車で来てよ。
そんで一緒に帰ろ？
あ、でもその前、土日だから先にこっちに
来てもらってもいいか！」
色々と捲し立て続ける俺に驚いて、
唖然とした顔してる彼女の体に腕をまわして
「いいでしょ？」って抱き着いた。
だってこんなチャンス、
長い休み以外なかなかないじゃん。
前から一緒に住みたいって思ってたけど
Aちゃんのお勤めの都合とか、
なぜだか まーくんにまでキレられて
同棲話はダメになっちゃったし。
前々から家に帰ってきた時に、
Aちゃんが居てくれたらどんなにいいだろう
って思ってたし
夏休みの間だけとはいえ、
それを叶えるチャンスだし！
「リハとかあるし日中は殆どいないと思うけど
帰って来てAちゃんが居てくれたら、
俺、すんげえ嬉しい！」
「それにさ、普段はほとんどが土日だけだし
長く一緒に居れるのってあんまないじゃん？」
俺の言葉にうん、うんって首を振って
相槌はしてくれるけど、
言葉での返事がまったくなくて
あー、ヤバい。
もしかして俺、捲し立て過ぎ？
「えっと、一緒に居たくない？俺だけ？」
「私も一緒に居たいです」
そう言ってはくれたけど、
ずっと黙ってたAちゃんに不安になって
顔を覗き込んだら困ったような顔して笑ってた。
*
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作者名：叢雲
| 作成日時：2018年9月1日 0時
