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emerald 2. ページ2

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芥「…ッ、ゴホ、……何処まで続くのだ、この道は…」






列車に揺れ、約3時間。




長い道のりにうんざりしながらも、僕は列車を下車して、

海を横切って、レトロな街並みを歩き、長い山道を登って行った。




緑溢れるこの道を登り始めて十数分。


まだ目的地にはたどり着かないようだ。






どうやら例の女が住んでいるのは大分高台にあるらしい。







芥「…ここ、か?」







それから少し歩いて辿り着いたのは、白の外壁に薄い緑の屋根が縁どったとても大きな西洋屋敷。




こんな所に女が、1人で…?





鉄でできた大きな門を開けると、ギィ、と鈍い音を立てる。



僕は、芝生の中にはめ込まれた石畳を歩いて焦げ茶の扉の前に立った。






扉をノックしてみたが、応答はない。


どうしようか、と、頭を悩ませていると、首領の執務室を出る時に首領に言われた事を思い出した。








森『もしノックして応答がなかったら、家の裏に回ってみるといいよ。』






家の裏?と疑問に思いながらも、芝生を踏みしめて家の裏に回ってみる。



それにしても、デカい屋敷だ。何処かのお金持ちなのだろうか。








芥「…む、アレは…。」






そこには、テラスに配置された白い机に顔を伏せて眠る女がいた。






黒くて長い髪の毛先はエメラルドグリーンに染まっていて、


灰色のレースがあしらわれたワンピースから覗かせるのは雪のように白い手足。







静かに眠る彼女に近づいて、その隣の椅子にとりあえず腰掛けた。




起こすのも悪いので、少し待つことにする。






ああ、暇だ。僕はここに何しにきたのだ。







あたりを見渡すと、豊かな木々としっかりと手入れされた多くの薔薇。



赤色や桃色、鮮やかに色付いた薔薇はそこに堂々と咲き誇っている。




その奥に見えるのは綺麗な海。






のどかでここは良いところだ。何処か落ち着く。




などと考えながら僕は静かな時間を過ごした。









……… さて。そろそろ女を起こすか。




30分程待ってみたのだが、全く起きる気配がない。


手元の時計を見たので間違いはないようだ。






芥「おい、女。起きろ。」

「……ん、」







僕が女の肩を軽く揺らすと、女はゆっくりと身体を起こす。





僕の姿を視界に入れたまだ虚ろな瞳は、エメラルドグリーンという、特殊な色をしている。







「…、貴方、は?」









女は眠たそうに首をかしげた。








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作者名:rira . | 作成日時:2019年7月5日 16時

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