〇自己責任 ページ29
.
.
Aさんが寝てる間に、鈍く震えたスマホ。
テレビから何気なく目をやると、メッセージを受信したところで、しかも送り主が俺のトークルームにも存在する名前だから、3度見くらいした。
ジュニヒョンだった。
Aさんが、「目の保養」だとか、妙な態度をとっていた、ジュニヒョン。
思わず呟いた「マジか」で、そこに眠るAさんが起きやしないかと反射的に見るけど、こんなんで起きるわけもない。
はあ、と大きなため息が出て、毛の長いカーペットに視線を落とした。
.
.
2時間ほどして、もぞもぞと起きたAさんには、そのことで変な態度をとってしまった。そんな自分が子供すぎて、会話と並行して反省した。
「ミンギュ、電気消すよ」
「ん!」
久しぶりにここに来たら、やっぱり帰りたくなくなってしまって、無理を言った。
「ミンギュ」
「はい」
「今日、ありがとうね」
「…ふふん」
「風邪じゃなくても、具合悪くなったらごめんね」
ベッドから聞こえる声に、ソファから返す。
そこにいるのに、電話してるみたいだ。
そっとソファから降りて、ベッド脇にしゃがむ。
「移す?」
「え?」
小さい電気だけがぼんやりと光る中、うっすらと見える。
急に近くなった声に気付いたのか、目を開けるのがわかった。
「移さないよ」
「じゃ、まあ移ったら俺の自己責任」
「え、なに、ちょっと」
ぎし、と音を立ててまで俺を受け止めたベッド。
意外にも、Aさんは慌てなくて、ただ「ばかじゃん」と俺に背を向けた。
2146人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
an - あ〜信じられんくらい大好きです。文章の書き方がドンピシャすぎてずっとドキドキしてました。また作者様の作品が読めますように、待ってます…! (2022年12月7日 16時) (レス) @page45 id: aeade8b6ee (このIDを非表示/違反報告)
tyai - 大好きです〜!更新待ってます!! (2022年11月24日 3時) (レス) @page41 id: 4eebb26101 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - うわーーー!!大型犬ミンギュ、、可愛すぎる、 (2022年9月10日 1時) (レス) @page38 id: 0051795449 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめまる(プロフ) - 私の好みドンピシャの作品です!!もしかしたらもう更新されないかもしれませんが待ってます!! (2022年9月10日 0時) (レス) @page38 id: dfcab48ce3 (このIDを非表示/違反報告)
ダオ(プロフ) - 続きが気になります!また更新頑張ってください! (2019年10月30日 0時) (レス) id: 8140470c2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:towa | 作成日時:2019年4月14日 22時