〇甘い ページ25
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「くっさ、何?それ」
「やっぱ臭いよね?俺この匂い嫌いかも」
「…ああ、ミンギュのじゃないってことね」
女の人と1晩一緒にいたから、香水かなにかの匂いが移ってしまって、おかげさまで若干憂鬱だ。
ミョンホは顔をしかめて、伸びかけの前髪をかきあげる。
「甘ったるい女の子ですこと」
「…大人だったよ」
「はあ、ほんと大人好きだよね。ジュニヒョンも心配してたよ」
「…みんなしてジュニヒョンだ」
ロッカーのある階に向かって、講義の終わった俺らは階段を降りる。
ミョンホは言葉に違和感を感じたらしく、首を傾げた。
…どうしてこうも、俺は子供なんだろう。
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「ミンギュ?」
「…あ、ヒョン!ミンソさんもこんにちは」
何たる偶然、従兄弟のヒョンとその彼女でありAさんの友達のミンソさんに会った。
会社と大学が近いから、会うのは不自然なことではない。
「学校終わったの?」
「うん、買い物して帰るの」
「一人暮らしはどう?Aのお世話しなくていいからフリーダムでしょ?」
ミンソさんの問いに、少し力が入る。
「ふふ、まあ」
「だよねえ、Aくらい生活力ないと手がかかるもんね」
「…でも、そういう方が世話しがいがあると思います」
一瞬にしてニコリと笑顔を浮かべたミンソさんは、したり顔にも見えた。
すると、ハッとした顔で俺に近付いて、鼻をひくつかせる。…忙しい人だ。
「いいセンスしてるね、どこの香水?」
「…さあ、適当につけたんで、わかりません」
「ミンギュっぽくはないね、甘い香り」
そう言うとヒョンはミンソさんと目を合わせて、頷く。
「あ、そういえばミンギュくん、わたしたちこれから映画観るんだけどさ、ちょこーっと頼まれてくれない?」
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an - あ〜信じられんくらい大好きです。文章の書き方がドンピシャすぎてずっとドキドキしてました。また作者様の作品が読めますように、待ってます…! (2022年12月7日 16時) (レス) @page45 id: aeade8b6ee (このIDを非表示/違反報告)
tyai - 大好きです〜!更新待ってます!! (2022年11月24日 3時) (レス) @page41 id: 4eebb26101 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - うわーーー!!大型犬ミンギュ、、可愛すぎる、 (2022年9月10日 1時) (レス) @page38 id: 0051795449 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめまる(プロフ) - 私の好みドンピシャの作品です!!もしかしたらもう更新されないかもしれませんが待ってます!! (2022年9月10日 0時) (レス) @page38 id: dfcab48ce3 (このIDを非表示/違反報告)
ダオ(プロフ) - 続きが気になります!また更新頑張ってください! (2019年10月30日 0時) (レス) id: 8140470c2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:towa | 作成日時:2019年4月14日 22時