名交渉人 ページ2
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「あ、こんにちは!お世話になります」
元気のいい挨拶とやたら爽やかな風に、圧倒されて思わず退いてしまった。
ミンソ、“子”って言ってなかった?“子”!
てっきり女の子だと思って、すっかり油断していたわたしには、目の前のこの「爽やか高身長、美形の中に感じる可愛さ、どこか犬っぽさを添えて」みたいな長い名前の料理みたいな男の子をうまく処理できない。
「…お引取りを…」
「がーん」
この子は、「まあ座って話だけでも聞いてください」って、わたしのバッグのチェーンを掴む。
整いすぎた顔に見つめられて座ってしまうわたし、将来不安だ…変な水とか買わされないようにしないと。
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「はあ、まずなんですか?お世話になりますじゃないよ」
「…だってえ」
「だってえ、じゃない」
ミンソの言っていた「人懐っこい」は、この空気感からすぐに感じて取れた。でも、それとこれとは話は別だ。
彼は、「厳しい〜」なんて、そんなこと思ってんだかどうなんだかな笑顔を浮かべて、カップに口をつけた。
「だってまだ寒いし、花粉も飛んでるし…実家も遠くなっちゃってすぐ帰れないし…夜とか物騒だし…」
「頼れる従兄弟のお兄ちゃんに頼めばいいじゃない」
「ミンソさんと住んでるじゃないですかあ!」
「あー…そうだった。」
うう、と項垂れて頭を片手で支える。
目をつぶって策を練っていると、ひんやりとした手に触れられる。
「…なに」
「Aさん、寂しいって聞いたのに」
「それとこれとは関係ないのよ」
「それに、料理も家事も、…ヤバいって聞いたよ?」
ミンソちゃーーん??!?!?
なんて叫びも、ミンソに届くはずもない。
「悪い話じゃないと思うんです」
わたしの右手を両手で包んで、首を傾げて笑う。
ああ、だめだ。
繋がっている手と、この子の顔を交互に見ながら、「きみ、名前は?」と聞くと、顔を輝かせた。
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an - あ〜信じられんくらい大好きです。文章の書き方がドンピシャすぎてずっとドキドキしてました。また作者様の作品が読めますように、待ってます…! (2022年12月7日 16時) (レス) @page45 id: aeade8b6ee (このIDを非表示/違反報告)
tyai - 大好きです〜!更新待ってます!! (2022年11月24日 3時) (レス) @page41 id: 4eebb26101 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - うわーーー!!大型犬ミンギュ、、可愛すぎる、 (2022年9月10日 1時) (レス) @page38 id: 0051795449 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめまる(プロフ) - 私の好みドンピシャの作品です!!もしかしたらもう更新されないかもしれませんが待ってます!! (2022年9月10日 0時) (レス) @page38 id: dfcab48ce3 (このIDを非表示/違反報告)
ダオ(プロフ) - 続きが気になります!また更新頑張ってください! (2019年10月30日 0時) (レス) id: 8140470c2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:towa | 作成日時:2019年4月14日 22時