第29話 ページ29
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ご飯を食べて眠たくなったけど今一緒に歩いて駅まで向かっている
数時間だけ学校に行くのも億劫だけど頑張らないと
ちらりと手を繋いでいるあきらを見る
拓也さんの声が出なくなった日のライブを見た
観ている私は関係ないのに涙が出てきた
テレビの中のあきらも、泣いていた
私より何倍も辛かったし苦しかったし何より不安で怖かったんだろうな
みんな乗り越えて今もバンドを続けている
衝撃を受けたけどより一層オーラルが、あきらが、拓也さん含むメンバーの皆さんが好きになった
ライブに行けて良かったな
また行きたい
繋いだ手をギュッとする
あきらは何も言わず握り返す
頭を撫でた時、少しでも力加減を間違えたらガラガラと崩れてしまいそうで怖かった
強そうに見えるけど本当は弱いんだ
この人の奥底にあるものを見てみたい
黒くて醜くて悍ましい、簡単には見えない所
私にだけ見せて欲しい
私にしか見せなくていい
彼女でもなんでもないのに我儘すぎる？メンヘラすぎる？
お互い何も言わず歩いていると知らないうちに駅に着いていた
『 俺Aちゃんと逆方向やから。』
「 ん。今日はありがとう。」
優しくハグするあきら
あきらの服の匂い
「 また会える？」
離れて顔を見るとあきらの目には私が映っている
『 ん、いつでも。』
その優しい笑顔を見ると離れたくないなあと思ってしまう
ホームへ行くとちょうど私の方面の電車が来た
ドアから反対側のホームを見るとあきらがいる
私には気づいていない
どこにも行かないで
私を必要として
私だけにいろんなあなたを見せて
誰にも言えない私の汚い欲
電車が動きあきらの金髪が見えなくなって「バイバイ」と小さく呟いた
外の景色が見慣れたものへと変わっていく
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さあや - このお話大好きなので続き全力待機してます！！ (2019年12月14日 18時) (
レス) id: 7e8017de48 (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます。最近忙しくてなかなか更新できてないですがまた読んでいただけると嬉しいです！ (2018年9月11日 19時) (レス) id: 98c394580d (このIDを非表示/違反報告)
みずき - とっても面白いです！更新頑張ってください！ (2018年9月7日 23時) (レス) id: d8092865a8 (このIDを非表示/違反報告)
霙(プロフ) - かっちんさん» そんなことを言って頂いてすごく嬉しいです、、、是非また読んでください(;_;) (2018年8月29日 19時) (レス) id: 98c394580d (このIDを非表示/違反報告)
かっちん(プロフ) - めちゃくちゃ好きです、、、このお話、、読みやすいしドキドキするし、こんなの初めてです、、、 (2018年8月28日 0時) (レス) id: 5bbb56740d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霙 | 作成日時：2018年8月21日 21時
