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chapter:46 ページ47

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「落ち着いた?」

「うん...」


あれから背中をさすられる度に泣き、頭を撫でられる度に泣き、涙を拭われる度に泣き、体中の水分という水分が涙となって排出された。からからになった気分。
それを見計らってか、隣からえいちゃんが優しく声を掛けてくれた。


「もう時間も時間だし今日は泊まっていったら?」

「顔ボロボロだよ」

「うるさい、みっくんの優しい提案にちゃちゃ入れないで」

「付き合った途端これだよ、怖いなぁ」



背が高いからって隣に立つと見下ろされるのが悔しい.....けどかっこいいからもっと悔しい。
そんな気持ちを込めて腕を1回だけ、殴っておく。

結局この日はお風呂も借りて泊めてもらった。えいちゃんに借りた服はちょっと大きいなんてもんじゃなくてとても重かった。それが嬉しくて、布団の中でもう1回泣いた。



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side エイジ.



お互い想いを打ち明けてからいい意味で、相手の顔色を伺って恐る恐る話したりすることがなくなって、ちょっと当たりの強くなったAも実は嬉しかったりする。
遠回りしたという言葉通り、お互い素直になってたらもっと早く付き合えてたんだろうとも思うけど、今までのすれ違いがなければあそこまで泣いてたAも見られなかっただろうと思うと必要なことだったんだろうか。
ソファに寝転びながら、すぐ下に引いた布団で眠るAを見ながら考えた。



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side 貴方.


次の日、まだ家が静かなうちに目が覚めたのできっとまだ誰も起きていないんだろうと察する。隣のソファを見ると、えいちゃんが寝ていた。毛布被ってはいるけど、寒くないのかなぁ...。私用にと貸してくれた毛布を上から掛けてあげると、一瞬眉間に皺を寄せていた。


「寝てると幼いなぁ...」


起きるとたまに毒吐くけどね、という言葉は自分の言葉の中だけにしておく。

昨日沢山泣いたせいか目が物凄く重いのに気付いて慌てて洗面所に向かう。みんなが起きてくるまでにマシな顔にしておかないとね。



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エイカ - お話の感想ではないことを書き込んでしまいすみません…。 (2018年3月28日 18時) (レス) id: 7eb5523693 (このIDを非表示/違反報告)
エイカ - お久しぶりです!今回のお話もとてもよかったです!えいちゃんと夢主ちゃんが会ってとても嬉しいです!笑続きがとても気になります…!更新頑張ってください!話が変わりますが3/25にファンミに行きました!初めて近くでアバンティーズを見れてとても嬉しかったです♪ (2018年3月28日 18時) (レス) id: 7eb5523693 (このIDを非表示/違反報告)
雨城(プロフ) - とんでもないです!そして、ありがとうございます。エイジさんをたくさん登場させたいと思いながらも字数制限に負け、あまり書けなくて…たくさん登場させられるように頑張ります! (2018年2月6日 9時) (レス) id: e39777545c (このIDを非表示/違反報告)
エイカ - 雨城さん» アドバイスありがとうございます。あと、今回のお話もとても面白かったです。今までえいちゃんがあまり出てこなかったので楽しく読まさせていただきました。 (2018年2月5日 19時) (レス) id: 7eb5523693 (このIDを非表示/違反報告)
雨城(プロフ) - エイカさん» 字数制限があるので、あまり詳しいアドバイスができずすみません。私でよければいつでも質問していただければ答えさせていただきます。エイカさんもお話の更新、頑張ってください! (2018年1月17日 0時) (レス) id: e39777545c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨城 | 作成日時:2017年12月19日 23時

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