chapter:21 ページ22
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ご飯も食べ終わり、小夜と近況を報告しあって話もひと段落ついた頃。今相談しないとこれからずっと機会を逃す気がして、意を決して相談することにした。
「あのさ…相談、みたいなのなんだけど、乗ってもらってもいい?」
「いいよ、どうしたの?」
さっきまで楽しく話していたのが一変、心配した顔で私を見つめる小夜に少し言い淀む。
単純に、こういう話をするのが久しぶりで緊張しているのもあるけど。
「単刀直入に言うと…私、高校の時からえいちゃんのことが好きで」
「うん」
「…高校卒業して連絡も取れなくなってたからいつの間にか気にならなくなってたんだけど、動画を通して姿を見たり実際会って話したり連絡取り合ってたりしたら高校の時のこと思い出してね、あぁまだ好きなんだなぁって思ったんだよ。でも今向こうにはファンがたくさんいて、付き合うのはもちろん、そもそもこうやって好きでいることで迷惑が掛かるんじゃないか、とかずっと考えてて…」
「ねぇ、小夜はどう思う?」
「…私は、さ」
暫く間を開けて、真剣な面持ちで口を開く小夜に少し不安になる。
でも小夜の言うことは友達という目線もYouTuberのファンという目線も持ち合わせてるんだし、どんなことでも受け入れよう、と決めた。
「私は頑張ってほしいと思うよ」
「…え?頑張る、って、」
「エイジさんのことを好きなの諦めないでほしい、ってこと」
「…え、あー、予想してたのと違うこと言われてびっくりしてる、笑」
何言われても受け入れよう。そう決めていたのに小夜に言われたことは予想を反するものだった。
「そりゃ、Aとエイジさんに何も関わりがなくていちリスナーとして本気で好きなの!って言うなら難しいんじゃない?って言うけど、AはリスナーとしてYouTuberのエイジを好きになったわけじゃなく、1人の人間として高校の時の同級生であるエイジという人を好きになったんでしょ?」
「うん、まぁね」
「まぁ、リスナーの中にも1人の人間として好きなの!って言う人もいるだろうけどさ、Aは高校の時から好きなんだったらファン的な目線は0だと思うし、何より友達の恋は応援したいよ」
「小夜…」
予想してたのと違う答えだったどころか、応援してくれるというのだから私はいい友達を持ったのだろう。
「何なの、泣かないでね?笑」
「泣かないけど…」
相談出来て心がふっと軽くなったし、小夜に応援してもらえるとわかってすごく安心した。
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エイカ - お話の感想ではないことを書き込んでしまいすみません…。 (2018年3月28日 18時) (レス) id: 7eb5523693 (このIDを非表示/違反報告)
エイカ - お久しぶりです!今回のお話もとてもよかったです!えいちゃんと夢主ちゃんが会ってとても嬉しいです!笑続きがとても気になります…!更新頑張ってください!話が変わりますが3/25にファンミに行きました!初めて近くでアバンティーズを見れてとても嬉しかったです♪ (2018年3月28日 18時) (レス) id: 7eb5523693 (このIDを非表示/違反報告)
雨城(プロフ) - とんでもないです!そして、ありがとうございます。エイジさんをたくさん登場させたいと思いながらも字数制限に負け、あまり書けなくて…たくさん登場させられるように頑張ります! (2018年2月6日 9時) (レス) id: e39777545c (このIDを非表示/違反報告)
エイカ - 雨城さん» アドバイスありがとうございます。あと、今回のお話もとても面白かったです。今までえいちゃんがあまり出てこなかったので楽しく読まさせていただきました。 (2018年2月5日 19時) (レス) id: 7eb5523693 (このIDを非表示/違反報告)
雨城(プロフ) - エイカさん» 字数制限があるので、あまり詳しいアドバイスができずすみません。私でよければいつでも質問していただければ答えさせていただきます。エイカさんもお話の更新、頑張ってください! (2018年1月17日 0時) (レス) id: e39777545c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨城 | 作成日時:2017年12月19日 23時