交わらない平行線

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12月24日。

いよいよクリスマスだと一層煌めきを増す街を背にして自分の家への帰路を急ぐ。
一緒に隣を歩いてくれる人なんて居ないんだし…
小夜も今日は彼氏とお泊まりだと言い、連絡すら昨日から返してくれない。

信号に引っかかり止まったところでポケットの中の携帯が震えた。
悴(かじか)む手で携帯を取り出すと、ディスプレイにはそらからのLINEが表示された。


そらちぃメリークリスマスイブ〜いかがお過ごしで?笑


『いかがお過ごしで？』かぁ…
朝からクリスマス(イブ)っぽいこと何も出来てないからなぁ。


Aいかがも何も、普通の日と何ら変わりないよ笑

そらちぃ彼氏とかいないの?俺らは相変わらず男4人でパーティー中笑

A彼氏なんて居ないけど…わざと聞いてる?笑 楽しそうじゃん、いいな〜



「った、」

いつの間にか信号は青に変わっていたようで、携帯を見ながら突っ立ってる邪魔な私の背中に誰かがぶつかったような衝撃が走る。申し訳ない。
点滅し始めた信号を取り敢えず急いで渡り、先にあったベンチに適当に座る。


そらちぃわざとじゃないから!笑 来る?

A私がそらたちの家に行くってこと?

そらちぃそう、A呼ぶ?って冗談で言ってみたらみっくんとかもうめっちゃ呼ぶ気でいるよ

Aえぇ、ほんとなの?笑 でも今からお邪魔しても遅くなっちゃって申し訳ないし…

そらちぃ全然いいって!男4人もそろそろ寂しいから笑 何ならそっちまで迎えに行くし


段々とそらのペースに乗せられて本当にお邪魔する流れになってる…
行きたいなって気はあるけど、頭にちらつくえいちゃんの姿。いつになっても消えてくれないな。

すぐに返事をできないでいたら、ついにそらから『今どこ？』とのLINEが来た。



Aこの前、ご飯食べたところの近くだよ

たまたまなのか、携帯から顔を上げると目の前にこの前そらとお昼ご飯を食べたお店が見えた。
やっぱり今日家にお邪魔するのは断ろう、と思っていたのにいつの間にかそう返してしまっていた。



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