交わらない平行線

chapter:26 ページ27

.

side エイジ.


年末から年始にかけ、世の中と同じくYouTuberの俺たちも忙しく撮影、編集はもちろん事務所との打ち合わせやメンバー同士のミーティング…など。忙しなく色んなことに追われていた。

久々に会えたAとようやくもう1度知り合えたというのに、あれ以来会うことはおろか、連絡さえまともに取り合えてなかった。

仕事に追われる中で、そんな暇はないんだからと気にしないようにすればするほど頭をちらつくA。
そらは割と頻繁に連絡取ってるみたいだし、『Aと中学の同窓会行ってくるわ〜』と浮かれていたし。そういえば、その同窓会は今日だったか。



「最近さ、えいちゃんぼーっとしてない？寝れてない？」

パソコンを開いたままそんなことを考えていると、後ろから肩を叩かれながらそうツリメに話し掛けられた。

「まぁ疲れてはいる。けどそれはみっくんも後の2人も同じだしね〜何でもないよ」

伸びてきた前髪を指で梳かしながらそう答える。
疲れてるのは本当だけど。

「程々にね〜。じゃあ俺、出掛けてくるね。泊まりだから帰ってくるのは明日の昼頃かな」

飲みかけであろう2/3ほど残っている500mlのコーラをテーブルに置いて玄関へ向かっていった。あげるという解釈でいいのだろうか。

「いってらっしゃーい」

もう既に遠くなった背中へ向けて声を発する。
そういえば、俺も夜から予定あるんだった。
今日上げる分の動画はあるし、編集はキリのいいところで一旦やめてそろそろ用意し始めよう。


.

chapter:27→←chapter:25

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す