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獲物 ページ3

つい数時間前、二限と三限の間にある微妙な休憩時間


そんなこと関係なく二限の頭から植物園にいたわけだが





チャイムのおとに目を覚まし欠伸を漏らしたとき、ラギーでもジャックでもない寮生が小さい足音と共に駆けてきた






「おはようございます、寮長!」



レ「嗚呼‥、‥用はなんだ」



「それなんですが‥さっき一限で、名前・コールマンがルチウスに逃げたい、と言ってるのを聞いたんです」



レ「は?」



「昨日のことで何かあったのか‥、‥」






飛行術が始まるからかと来たときと同じように慌てて駆けていったそいつを見送ることなく考え込む


昨日あの場にあいつはいなかったはず




逃げたいも何もあいつは何もしていないはずだ




なら何故?






寮も違えば先日会ったのも数年振り、あいつの考えていることがわかるはずもない


小さく舌打ちをした俺は、なるようになる、そう言い聞かせて再び眠るに落ちた









『‥一人が、嫌いなんだ』

『だから一人にならないように嫌われないような、誰かの期待を裏切らないような、そんなユニーク魔法を作るんだ』


レ「んぁ?そんな他人の機嫌を取るようなもん要らねぇだろ、自分がしたいようにすれば良い」


『‥、‥そうだけど、‥でも、誰にも嫌われたくない』


『ずっと側に居てくれる誰かが欲しいのに、いつも俺は一人になるんだ』


『きっと俺がダメなんだ‥、‥‥だから、嫌われないように、するしかない‥』


レ「‥‥、‥お前、いつか潰れるぞ」








まだ声変わりもしていないあいつの声


ただの迷子だったあいつの、胸の内





ゆっくりと目を開けた


眩しい光に目を細めて起き上がり、スマホでメッセージを飛ばす





数分後、見えた姿に無意識に頬が緩む







「よお、名前、浮かない顔だな」






.





タイミング良く届いたメッセージ通り、リドル君と離れて植物園に来た



なんだか少しにやついてるレオナを脇目に隣に腰を下ろす


何時ものごとく毛繕いをされている内に予鈴が鳴って、なんだか行く気にも慣れない俺はレオナの右半身にもたれ掛かった





レ「サボるのか?」




俺の尻尾に緩く絡まるレオナの尻尾から逃げるように尻尾を動かしながら小さく頷く




レ「サバナクローに来いよ」





突拍子もない言葉にぎょ、とすればけたけたと笑われて






「逃げたいんだろ?」





その言葉に心臓が跳ねた






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きゅうり - 天才すぎんか???好きです。続編みたいな〜((((((( (2022年5月14日 10時) (レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - や、やだ…鼻啜りながら泣いた…監督生ちゃん悪女なのね…クルーウェル様とてつもなくかっこいいわ… (2022年3月27日 3時) (レス) @page14 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
Minori(プロフ) - あ、好きです…()前から見てたんですけどずっとコメント送れなくて…神(??)に私が送るのは少々恐れ入りますが…ぜ、是非これからも無理せず頑張ってください!!!私はこれからもひっそりと見ますのでどうか…(((( (2021年6月21日 4時) (レス) id: 34e08249b5 (このIDを非表示/違反報告)
天科(プロフ) - 本当に面白くて一気に読んじゃいました…。これからも頑張って下さい! (2021年6月12日 21時) (レス) id: f12a0f262c (このIDを非表示/違反報告)
モモ - スキィ!面白いんじゃない? (2021年6月12日 0時) (レス) id: 18ee1de0f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこもち | 作成日時:2021年5月26日 9時

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