傍に居る。 【sxpx】【紫】

嘘のような本当 ページ8

さとみ視点

俺達は思わず声を揃え、ポカンとしてしまった。


こ「浮いて、る？」


る「え…………」



な「良かった……。みんな俺の事、見えてるみたいだね……。」


なーくんは、そう言って俺達にゆっくり近付いてくる。






ぽん



気付いたら、なーくんの手が俺の頭にのっていた。


さ「ふぇ…………」

つい変な声が出てしまう。




な「よく頑張ったね、大丈夫、後は俺がやるからさとみくんは休まなきゃ。」ﾖｼﾖｼ




なーくんにそう言われた時、嬉しいような、苦しいような、そんな気持ちが込み上げてきた。


さ「なーく、ん……」ギュ


泣いてしまい、隠すためになーくんに身を委ね、ギュッと抱きしめた。



るぅと視点


僕ところちゃんは、さとみくんとなーくんが抱きしめ合っているという状況を未だに飲み込めておらず、ただ眺めていた。


な「ねーるぅとくん。」


なーくんがさとみくんを抱っこしたままこちらを向いた。


な「るぅとくん部屋に引き込もってたの？ジェルくん、『連絡くれない』って心配してたよ？」


なーくんはそっと僕を引き寄せ、気付けばさとみくんの隣、なーくんの腕の中に居た。


な「ほら、ころちゃんも。ジェルくんもりいぬくんもおいで。」







ギュ


なーくんの声の数秒後、凄く暖かくて、心地の良い、そんな気持ちになった。

きっと今、メンバーみんなで抱き合っているのだろう。“6人”で。


る「嘘みたいだな、“6人”なんて。」


り「でも、本当なんだよね。」

良かった、これでまた、一緒に居られるんだ。





、







、







、




な「365……足りるかな…。」ﾎﾞｿｯ


なーくんが放った言葉は、誰一人として聞こえていなかった。

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