傍に居る。 【sxpx】【紫】

君の声 ページ19

ジェル視点


今日からなーくんが帰ってきてから8ヵ月目の10月。やっと、話してくれる。


ジ「おはよ……」


俺はなーくんが先に起きて朝ごはんを作ってくれているであろう、とリビングに入った。


ジ「なーくん……？」


そこには、涙を流しながら料理をしているなーくんがいた。



ジ「どした！？」

あわてて駆け寄った。するとなーくんは、ペンと紙を取り出して、何か書き始めた。

スッ

書き終わったのか、俺に見せてきた。が、



ジ「は……？」


そこに書かれている内容は、信じられないものだった。



な[突然だけど、喋れなくなりました。
理由としては、俺はあと4ヵ月で本当に居なくなっちゃうから、神様が段々俺の存在を消していっているからです。それが、ここ何ヵ月か起こってきた不思議な現象の理由でもあります。]


俺が涙を流すと、なーくんはまた何か書き始めた。



な[さて問題。あと4ヵ月後は何がありますか？]


ジ「今月発売のアルバムの記念ライブ……！」


な[正解。それまでで、俺と居れるのは最後ってこと。だからライブの日を俺が帰ってきた日にしたんだよ。]


そうだ。そうならば辻褄が合ってしまう。


ジ「ばかぁ………」

俺は泣き崩れた。するとそこに、ゆっくりとなーくんが近づいてくる。


な[お願いがあります。アルバム発売の日、この事をみんなにL○NEで言って欲しい。]


俺は言いたくないという気持ちもあったが、これを2度もなーくんに言わせたくないという気持ちが込み上げてきて、ゆっくりと頷いた。



10月8日、ニューアルバムの発売日。俺はみんなにL○NEでなーくんのことを泣きながら伝えた。みんなはただただ、嘘だと送ってきていた。

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