秘書 ページ12
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「なんでぇ？なんでぇなA……あんまりやんそんなん……」
「グズらないで下さいゾムさん……。仕方ないじゃないですか、ロボロさんが寝たらダメなんですから」
「せやかて、せやかてなぁ…！！徹夜したくらいでしてもらえんなら俺いくらでも徹夜すんで…」
「そういう問題じゃないでしょう」
「あんまりやー！酷い！！俺の前でそんなの！！鬼！！」
「あーもううるさいうるさーい」
『無事に片付いたらキスしてあげます』…。
我ながら自意識過剰というか、あそこでもしロボロさんに『いや、アンタのキスとかいらんわキッショ』とか言われようものなら私はこの車の窓から飛び出して穴掘って埋まって二度と出てこなかった。
ロボロさんにキスとか別にしたくないけど、それで彼のやる気が出るなら唇くっつけるくらい安いものだ。どうということはない。
……のだが、彼にとっては違ったようで。
「酷い女やなA……。そうやって俺の恋心を弄んで…最低や……そんな女やと思わんかったわ……」
「はあ。すいません」
「ンンンンン！！！本気やのに！！泣くでいい加減！！」
「なんならもう泣いてません？」
「泣いてへんわ！！」
ゾムさんが言った『一発ヌく』を参考にしてキスを提案したのだけど。やっぱりあれはさすがに冗談だったのか。ゾムさん結構スケベだから半分くらい本気で提案してるのかと。
どうやらゾムさんは私に好意を寄せてくれているらしい。
…となると好きな相手が軽々しく異性にキスしてあげる♡なんてのは気に障ってしまうのかもしれない。
人に恋慕したことはないから理解できなくて申し訳ないけど、だったらあんたも一発ヌいて云々とか冗談でも言うなよな！
「別にいいじゃないですか接吻の1つや2つ。減るもんじゃないし、たまたまくっつく体の部位が唇ってだけですよ」
「ムードの欠片もないこと言うな……」
自覚はあります。
散々喚いているけれど、ゾムさんは両手はしっかりハンドルに添えて安全運転してくれている。頼もしい。意外と冷静なんじゃないかこの人。
…赤信号で車が止まる。
「……キスの1つや2つええやんってことは…。
今俺とするのも別にええの？」
「え。……いや、そういうわけでは。やむを得ない場合なら別にいい、ってだけです。
……うーん、でも、唇くっつけるだけだし別に……？いや、うーーーーん……」
「…そ。
そこのコンビニ停まってええ？飲みもん無くなった」
「あ、はい」
……なんかすみません。
そう形だけ謝ってみたけど、返事はなかった。
続く
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ちきん(プロフ) - wtが好きなのでいつ出てくるのかワクワクして読んでます！世界観に引き込まれて、何度も読み返してしまいます！気長に更新をお待ちしていますね！ (2020年4月25日 18時) (
レス) id: 02b3f961aa (このIDを非表示/違反報告)
布巾(プロフ) - エラさん» 世界観しっかりしてますか！？ガバガバすぎないかな〜とビクビクしながら書いていたので安心しました…ありがとうございます！更新してきます！ (2020年4月4日 16時) (レス) id: b4ad646e52 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - しっかりとした世界感と各キャラの思考や行動がとても分かりやすくて読んでてワクワクしました。さらなる更新を心待ちにしてます！めっちゃ楽しみです。 (2020年3月15日 23時) (レス) id: 6451d1bf62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：布巾 | 作成日時：2019年9月2日 7時
