34. ページ34
.
思ったよりもはやく集中治療室から出てきた北ちゃんは、早々と病室にうつされる
グルグルと包帯を巻かれた北ちゃんの綺麗な顔は、見たこともないくらい傷だらけだった
病院の先生に何かを告げられたけど
夢の中にいるような気分の私の頭には入ってこなかった
その代わりに号泣して崩れ落ちた北ちゃんのママと
口元を手で押さえてボロボロと涙をこぼすお母さんの姿はしっかり目にうつる
お姉ちゃんは、この空間に耐えきれないのか北ちゃんから顔を背けた
ベッドに横たわる北ちゃんに近付いて
手を優しく握った
「北ちゃん?起きて?デートは?」
なんと声をかけても、ピクリともしない北ちゃん
だんだんと現実味を帯びてくる目の前の出来事
「ねぇ…ねぇってば!!北ちゃん!!」
ギューっと手を握って呼びかけても
起きてくれない
私の頬を涙が伝う
「北ちゃん!ねぇ!」
どれだけ大きな声を出しても、
うるさいって笑う北ちゃんの声が聞こえない
私とは反対側のベッドサイドには
泣き崩れた北ちゃんのママと、それを支える北ちゃんのパパ
北ちゃんのママが、北ちゃんの頬を撫でながら
痛かったね北人…と呟いた
.
475人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬう(プロフ) - はなぶーさん» そう言ってもらえて嬉しいです…!大好きな北ちゃんを心を鬼にして星にした想いが報われます…!! (2020年1月29日 15時) (レス) id: 2f09ca37fa (このIDを非表示/違反報告)
はなぶー(プロフ) - 最後らへん涙で文字がにじんで読めなかった………とっても感動するお話をありがとう! (2020年1月27日 17時) (レス) id: 5a79669a19 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぬう | 作成日時:2019年6月12日 1時