change 〜Another story 8〜

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陣「ん、樹は？」

陣さんのその声に、皆が小刻みに頷く

そのスタッフさんから発せられた言葉に、その場の空気が固まった

"町田さんも、来てくださいとの事です"


嫌な予感がした


早足に楽屋を飛び出して、小走りで樹が向かった社長の元に向かった


嫌な予感は見事に的中した

悪い事って、続くものなんだろうか


重たい扉の向こうにいたのは
ムッとした顔の社長と、立ったまま俯いた樹…

2人の間に置かれた机には、週刊誌が投げ置かれていて
薄い黄色の付箋が貼ってある

慌ててその場に駆け寄って、付箋が貼ってあるページをめくる


そこに写るのは、手を繋いだ樹と私…

この背景…見覚えがある

福岡だ……

この服…この道…

あの日だ……

私が、専門学校の友人と飲みに行ったあの日
樹が迎えに来てくれたあの時…

真っ先に浮かんだのはユキトだった
でもそんな事、しないって…
それに撮られてる場所的に、ユキトはこのすぐ近くにいたはず


「これ…誰が…」

社「地方にも記者はいるんだよ」


完全に私のせいだ…

そもそも今まで、撮られずに過ごしてこれたのが奇跡だったんだ
地元だからって堂々と、軽率すぎた

「申し訳…ございません…」
『A…』

謝るしかなかった

もう紙面になっているということは、世間には出回ってしまうのだから

樹の、皆のサポートをするためにここに来たのに
結局私が邪魔をした

これからだというRAMPAGEにいらぬ傷をつけた


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