検索窓
今日:2 hit、昨日:62 hit、合計:366,879 hit

47. ページ47

.


黙ったまま何も言わない樹は、私を後ろから抱きしめながら湯船に浸かる

「疲れたの?」

私の肩に頭を乗せたまま、首を横に振る

「疲れてないの?すごいね樹の体力〜」


「…世界さん、足大丈夫かな…」

コクリと1度だけ頷いた

樹の前髪から滴る水滴が、私の肩にポタポタと落ちる

『最後まで…全員で踊りたかった』

ボソッと呟いた樹

スタッフにも話され、先程モバイルにもアップされた世界さんの骨折

残り3日間の出演は見送る形になってしまった

「仕方ないって言い方は違うかもしれないけど…誰も悪くないよ…世界さんも、スタッフさんも」

『わかってるよ…』

苦しそうに呟く樹

遣る瀬無いんだよね?
誰も悪くないからこそ、消化するのは難しい


「それだけじゃないでしょ?」

『ん?』

「樹が思い詰めてる理由。ほかのメンバーもいつもと違った。無理に話さなくてもいいけど…樹が全部1人で抱えなくたっていいよ」

いつもより冷たい壱馬さんの目も、ライブ終わりなのに上がりきってないテンションの皆も
お節介かもしれないけど、皆をささえるスタッフの1人としてちゃんとわかっておきたかった


『…ステージってさ、広いの。見える景色が』

私に回した腕の力がグッと強くなる
俯いたまま、耳元でポツポツと話し始めた樹

『お客さんが思ってる以上に見えてる。見たくないものまで全部…』

そこまで聞いてわかった。
元はLDHのファンだったから言いたいことはわかる。
樹は、ファンのマナーのことを言ってるんだ

『来た人全員が幸せになれないと、ライブなんてやってる意味がない…』

ふと思い出したのは、ランドプで注意喚起していた翔平くんと、インスタでマナーのことを書き綴っていた壱馬さん

自分達の思いは届いていないのかと、ショックだったんだ…


.

48.→←46.Itsuki side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (198 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
748人がお気に入り
設定タグ:THERAMPAGE , LDH , 藤原樹   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぬう(プロフ) - 彩華さん» いつのまにか長編になってしまってるから読むの大変でしたよね!?最初から読んで頂けたなんて嬉しすぎます!!!頑張って樹君とイチャつきまくるので懲りずにお付き合いください(^^) (2019年7月30日 23時) (レス) id: 1bdd3ad000 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - 最初から一気に読んでしまいました!!もう発狂発狂発狂です(笑)いっちゃんかっこよすぎます〜!!!これからも更新楽しみに待ってます! (2019年7月29日 16時) (レス) id: 303c26c9ac (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぬう | 作成日時:2019年7月17日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。