change ～Another story 2～ (ページ24)

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樹、とぼけた顔してごめん

陸さんと喋ってたのが嫌だったんだよね？

わかってるけど樹はそう言われたら嫌だろうから言わないでおくね

いつもより口数の少ない樹の隣を歩きながらそう思う

『いっちゃんはAちゃんの事になるとメンバーにすら嫉妬してるからねぇ』

さっき鍛える樹を眺めながら話してる時に
健太さんが言ってた

不謹慎だけど、そんなに私が好きなの？って思ったら若干不機嫌な樹の横でも口元が緩む

家までの帰り道、樹は全くと言っていいくらい喋らなかった。

それでも心地いいと思う私は樹に依存してるかな？

無言の樹を見上げて心の中で問いかけても、もちろん返事はない

でもね？

「樹～」

『ん？』

片眉をあげて返事をする樹に

「私樹に会えてなかったら、こうやってメンバーと関われるお仕事なんて出来なかったし美容師も続けてたかわかんないよ」

だから本当に感謝してるんだよ？
歩きながら私より背の高い樹に視線を向ける

「樹、ありがとう。だーいすき。」

ありったけの愛を込めて言葉にのせる

するといつものようにふふっと笑顔になった樹は
ギュッと私の手を取ると

『早く帰ろ？』

いつもの優しい声でそう告げた

いつもと同じ帰り道

今までとは違う仕事の帰りに

樹にギュッと握られた手から

"俺も大好きだよ"って言われてる気がした

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