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ひたすら鍛え続ける樹の体が心配になってくる
ジムにいた人たちも段々と減っていき
樹1人になった今も、動き続ける彼
時折汗をぬぐい、水を飲む仕草に胸が鳴り
限界まで体を追い込む姿に見惚れてしまう
でも…そろそろやばいんじゃ…?
そう思った時、時計で時間を確認した樹は
動くペースがゆったりと遅くなりダウンを始めた
追い込まれた体を冷ますのも大変だろうな…
そう思い眺めていたら
パッと顔を上げた樹と目が合う
びっくりしたように目を開いた樹は
それまでのアスリートのような顔から一変
いつもの柔らかな顔で笑い、手招きをする
カチャリと静かに扉を開けて引き寄せられるように樹の元へ向かった
『あ、あんま近づかないで汗かいたから!』
笑う樹に
「気になんないよ?」
そう返せば、
『俺が気になるからだーめ』
そう言って少し離れたところでゆっくりと体を伸ばす樹
『帰ったかと思ってた』
「んーん、事務所内を探検してました」
『なにそれ笑』
私たちしかいない空間で、いつものように会話をする
私は瑠唯さんのダンスを眺めたり、事務所内で迷子になったりスリボにここまで連れてきてもらったこと、だいぶ前からここにいてさっき健太さんと喋ったことも全部話す
頷きながら柔らかい笑顔で笑う樹は
流れる汗すら綺麗で見惚れた。
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作者名:ぬう | 作成日時:2019年5月24日 1時