Anthem 6

16.Reo side ページ16

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予想を遥かに超えるスピードで出回る
俺とAの熱愛報道

涙のMV撮影のあの日

裕「もうええんか」

ちょっとだけ不安気な表情の裕太くんは俺に言った

玲「うん、絶対守るよ」

裕「そっか」

娘を差し出す父のような感覚に近いのかもしれない
頼んだで、と笑う裕太くんはそんな風に見えた


SNSで拡散されていく俺たちの文章
止まらないLINEの通知は、友達から。

ほんのちょっと怯えた目をしたAは
スマホを握ったまま固まっている

予想以上の世間の反応が怖いんだ

E-girlsからGENEに移籍したあの日
散々叩かれたAは、何言われるかわからない恐怖に怯えてる

Aの隣に座って、優しく手を握る

ピクッと反応したAは俺の顔を見た

玲「大丈夫」

あの時のAなんて比べ物にならないくらい
今のAは、強くて綺麗だよ

今まで俺たちと過ごした時間を信じて

ファンはAの努力も成長も全て見てきたんだから

絶対に、大丈夫

「ありがと…」

ふわっと笑うAは儚くて消えてしまいそうで
そんな事あってたまるかと、強く手を握った

玲「…後悔してる？」

「そんなわけない」

玲「じゃあ、堂々としてよう」

「うん」

俺のお姫様であるまえに、GENEのお姫様なんだから。

いつも通りいたらいいんだ


もう何があっても側にいるから


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