Anthem 6

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ゆっくり離れていく玲於くんに
私もゆっくりと目を開ける

目があった玲於くんはほんの少しだけ顔が赤い

「なんか…恥ずかしい…」

玲於くんの顔を見つめながらそういうと
私の手を握って、自分の胸元に持っていく玲於くん

玲「わかる？」

全然気付かなかったけど手を置いた玲於くんの胸も
ドクドクとすごいスピードで鳴っていた

玲「俺も全然余裕じゃないよ」

「嘘だ…だっていきなりチューしたもん…」

玲「我慢できなかった」

「何が？衝動？」

玲「Aが可愛くて？」

そう言った玲於くんは、照れたようにはにかむ

今日の私はつくづく地雷を踏む
ボッと顔に熱が集まったのが自分でもわかった

玲「世間的に見て我慢したほうっしょ。」

「世の中の平均とか知らないから！」

あははっと笑う玲於くん
ドラマよりも漫画よりも何十倍もドキドキする…


「てか…いつまで抱きしめてるの…」

玲「やなの？」

「嫌じゃないけど…」

玲「あわよくばもう1回キスしよーって思ってるからまだ離れる気ないけど？」

「なっ…！！」

玲「していい？」

「き、聞かないでよっ」

玲「聞かないとAまた泣き出すかもしれないし」

「泣かないしっ」

玲「いい？」

私の顔を覗き込む玲於くんにコクっと頷くと
また近づいてくる玲於くんの顔

ゆっくり目を閉じると
唇に触れる感覚と、優しく頭を撫でる玲於くんの手…

なんか…心地いい…

このまま…ずっとこのままでもいいかも…

触れるだけのキス
玲於くんは優しい

きっと私に合わせてくれてるんだ…

やっぱり好きだな…
ずっと想っててよかった…

唇を重ねたまま、スッと1滴だけ流れた涙は
私の中から溢れた玲於くんへの気持ち


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