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ギュッと締め付けられる胸を押さえて
玲於くんの連絡先を探す
無性に声が聞きたかった
壁の時計は朝の9時を少し過ぎたところ
まだ寝ているだろうか?
そう思いながらも電話をかけている私は、随分と迷惑な人間だ
玲「…ぁい」
出た…
この感じは、寝起きだ。
「玲於くん…?起こしてごめん」
玲「…ん…?A…?」
「うん…」
玲「おはょ…」
「お、おはようっ」
寝起きの玲於くんは、いつもより少し声が低い
ダイレクトに耳に響く低い声が、甘く体を巡る
「あの、ポカリとか…薬とか、ありがと…」
玲「ん?あぁ。熱下がった?」
「昨日よりは…」
玲「今日は1日家にいなよ。」
「え…」
玲「俺らもあとほんの少しでオーディション終わるしさ。それまでゆっくりしててもいいじゃん」
「でもっ…」
皆が頑張ってる時に、ボーッとしてるのは嫌だよ…
玲「でもじゃない」
ぴしゃりと言い切った玲於くん
玲「A頑張りすぎ」
「そんなことない」
玲「あるよ。毎日1人で練習してるのも、最近裕太くんに内緒でめっちゃジムいってるのもバレてるからね?」
ふっと玲於くんが小さく笑う声がする
玲「みんなちゃんとわかってるから。オーディションの結果が出るまでゆっくりしてな?」
優しい玲於くんの声に、私は頷く事しか出来ない
玲「わかった?」
「うん…」
玲「じゃ、薬飲んで寝なよ?おやすみ」
「ありがと…おやすみ」
ぷつっと切れた画面を見つめたまま
玲於くんに会いたいと思う私は、風邪よりも恋に侵攻されている気がする。
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美紀 - 移行おめでとです気温の変化が激しいので気を付けて更新大変だと思いますが頑張ってくださいね応援してます (2019年12月23日 12時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬう | 作成日時:2019年8月12日 1時