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そのまま何も言わない玲於くん

沈黙が流れたのはたった数十秒だろうけど
体感は1時間も2時間も経っていると錯覚するくらい長かった


その時、ふわっと香った少し懐かしい匂い

さらっと私の頬を撫でた、玲於くんの前髪

「玲於くん…」

言葉を発しない玲於くんは
黙ったまま私を抱きしめた

「玲於くんっ…」

溢れて止まらない想いを伝えるように彼の名前を呼ぶたびに、私を抱きしめる腕が強くなる

心地いい

彼の心臓の音が、腕の力が、頬を撫でる髪が

私の鼻を抜ける香水の匂いと、耳元でかすかに聞こえる吐息

全身で玲於くんを感じた


「好きなのっ…大好きっ…」


今言わないといけない気がして、ありったけ好きだと伝えたけど
玲於くんが言葉を発することは無かった



玲「明日寝坊すんなよ」

ゆっくり離れた玲於くんが最初に発した言葉はそれだった

「えっ…?」

玲「バイクとランニングマシーンやりすぎてんだから、部屋戻ったらすぐ寝るんだよ?」

「あ…うん…」

玲「じゃ」

そう言った玲於くんは、振り返ることもなく
今来た道を戻っていく

その背中を見送りながら、動けない私がいる

まだ体に残る抱きしめられた感触、香水の匂い


なんで抱きしめたの?


そんな事も聞けないまま

やっぱり私はまた彼を困らせてしまったんだろう
なだめるために、抱きしめてくれたんだろう

何も言わないと言うことは、きっとそういうことでしょう?

段々遠ざかる玲於くんの背中をみながら
私の頬を、静かに涙が伝った


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設定タグ:GENERATIONS , LDH , 佐野玲於   
作品ジャンル:恋愛
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美紀 - 移行おめでとです気温の変化が激しいので気を付けて更新大変だと思いますが頑張ってくださいね応援してます (2019年12月23日 12時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぬう | 作成日時:2019年8月12日 1時

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