Anthem 4 (ページ45)

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「……？えっ！？」

玲「なに？」

「玲於くんもう寮じゃないじゃん」

玲「近いから変わんない」

そう言って笑った彼だけど、私は知ってる

はぁ君が前に、俺んちから玲於の家すぐそこなんだよ！と話していたことを。

はぁ君の家は、寮とは真逆

てことは玲於くんの家も、寮とは真逆でしょ？

「1人で帰れるよ！？」

玲「俺と2人じゃもう歩きたくない？」

「…っ！」

なんでそんな顔をするの？
歩きたいに決まってるよ…

「…歩いたってもええよ」

玲「久々に聞いた。Aの関西弁」

クスッと笑った玲於くんは、1年前と同じように
私の隣を歩いた

ドクドクと脈打つ心臓は、壊れてしまうんじゃないかというくらい締め付けられる

1年ぶりだよ…？

2人きりで歩くの。

溢れ出して止まらない気持ち

ブレーキの壊れた私の頭

なぜか脳裏によぎるのは

"大丈夫、頑張れ"

そう言って笑うはぁ君の顔

もうすぐ寮についてしまう
事務所からあっという間の距離

この道がもう少し続けばいいのにと思ったって、そこで終わってしまうんだ

どうする？私

1年前のあの後悔を、また抱えたまま生きていく？

玲「じゃ、また明日な」

そう言って立ち去ろうとする玲於くんの腕を
引き止めるように掴んだ

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