Anthem 4 (ページ21)

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ガチャ…

控えめに開いた扉に振り向くと立っているのは玲於くん

「あ、遅かったね！」

玲「ん…」

スタスタと入ってきた彼は、なんだか暗いような怒ってるような…

スタジオの空気が微妙に重くなるのを感じる

「今日何踊る！？」

そんな空気を変えたくて、出来るだけ明るい声で話しかけた

玲「翔吾！！」

「えっ！？」

急に大きめに声を張った玲於くんに、ビクッと肩が震えた

玲「翔吾、帰ったけどいーの？」

いつもより冷たい彼の目

「なんで翔吾…？」

玲「さっきまで抱き合ってたじゃん。付き合ってんじゃねーの？」

少しトゲのある言葉は、あの私が好きで仕方ない玲於くんの口から発せられているのだろうか…

「見てたん…？」

玲「見てたもなにも…見られたくないんだったらスタジオでイチャつくなよ」

苦しい…

「イチャつくとかそんなんじゃ…！」

玲「早く翔吾追いかけたら？」

苦しいよ…
ねえ、わかってよ…

玲於くんの冷めた視線が、痛いくらいに突き刺さる

私の目からは涙が溢れた

玲「あーもう。なんで泣いてんの？俺が彼氏呼び戻してやるから待ってて」

「…うよ…」

玲「ぁん？なに？」

「違うよ！！翔吾は彼氏やない！！！」

私は半分泣き叫ぶように否定した
びっくりしたように目を見開く玲於くん

「だって私…！」

だめだ、止まれ。
今言うべきじゃないのに

「私っ…！！玲於くんが好きなんやもん！！」

シンと静まり返ったスタジオには
無情にもLove You Moreが鳴り響いていた

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