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裕「翔吾は、距離ができるのは嫌やと思うで」
「ん…」
裕「今まで通りおってやったらええやん。Aが玲於を好きやとしても、翔吾に申し訳ないなんて気持ちは持ったらあかんと思うけどな」
優しく語りかける先生の声が、ジンっと沁みる
喉元に込み上げてくるなにかを、冷たいカフェオレで流し込む
そうか、私はただメンバーに会えないことが寂しかったわけじゃないんだ
こうやって心の声を話す相手がいないことが寂しかったんだ
現に先生の言葉にホッとしてる自分がいる
こう言ったら嫌な人間だろうか?
この考えは翔吾に失礼だろうか?
杏奈ちゃんだったらどうしたかな…?
そんな考えを巡らせては、相談できる相手は身近におらず飲み込み続けた毎日
裕「Aは俺らがおらなあかんな?話し相手おらんと、変なことばっかり考える」
「うん…」
裕「あと少しで皆帰ってくるから、待っててな」
そう言ってにっこり笑った先生は
翔吾とはちゃんと話しぃ と言うと立ち上がる
裕「そろそろリハやろ。いこか」
私の頭をポンポンと撫でるといつのまにか飲み終わった炭酸の空きをゴミ箱に放り投げた
裕「リハ前に炭酸はアホやったな〜」
うぅっと唸りながら隣を歩く先生からは
ピリッとした緊張感は感じない
「先生オーディションの調子どう?」
裕「んー。まぁまぁ?」
ヘラヘラ笑う先生だって、きっと沢山の悩みを乗り越えてきて
今だってきっと悩んでるんだ
そう考えただけ少し心が軽くなる私は、
ちょっとは大人に近づけただろうか?
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美紀 - 移行おめでとです気温の変化が激しいので気を付けて更新大変だと思いますが頑張ってくださいね応援してます (2019年12月23日 11時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
ミル(プロフ) - 初めて感想コメント書かせていただきます もう何というか本当に好きです(語彙力) 更新すごく楽しみにしてて もうほんとに更新してくださってありがとうございます!泣 これからも楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年8月19日 3時) (レス) id: cee8faad11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬう | 作成日時:2019年7月17日 2時