Anthem 3

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中学校3年生に上がる少し前に
NEVER LET YOU GOのMV撮影が行われた

久々に丸1日一緒にメンバーと過ごすその日は、朝からなんだか嬉しくて
撮影前からテンションが上がっていた


「ねばれちゅご〜ねばれちゅご〜」

メイク中も無意識に曲を口ずさんでしまう

玲「Aテンション高くねえ？」

隣でメイク中の玲於くんが、控えめに笑っていた

「久々に皆と1日中おれるんが嬉しくて」

そう言って笑いかければ、立ち上がった玲於くんは
そっか、と言うと私の頭をポンポンと撫でて行ってしまう


裕「…ほんまわかりやすいな。顔真っ赤やで」

先生に茶化されるのも無理はない
鏡を見なくてもわかるくらいに顔が熱い

「先生…」

裕「なんや？」

「なんか、ええな」

裕「なんが？」

「ぎゅーってなってちょっと苦しいけど、これが玲於くん好きな証拠なんかなって思ったらこの感じ嫌やないわ」

優しく微笑んだ先生は、その気持ち大事にしろな
と言うと私の背中をパンパンっと軽く叩いた


裕「そういえば翔吾はどうなったんあの後」

「あー…オーディション終わったら返事聞きに来るって」

ふぅんと言う先生は、なんだかニヤニヤ笑っている

裕「三角関係ってやつやな」

それだけ言って立ち上がった先生

裕「じゃあ俺久々に乗るチャリの練習でもしてこよかな」

そう言い残すと、セットの隅に準備された自転車の方へと向かっていった

「練習せんでも乗れるやろ…」

メンバーがスケボーの練習を始めたりカメラで遊んでいる中
1人自転車でセットを走る先生がシュールで、なんだかおかしかった


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