Anthem 3

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「ん…」

枕元に置いたうるさいスマホに手を伸ばす

手探りでつかんだそれをタップして体を起こした

目覚めはあまりスッキリしない


あの日…
杏奈ちゃんに助けを求めたあの日以来
夜眠るまで考えるのは玲於くんの事ばかりで
何度も夢にまで出てくる始末

お陰で最近は眠りが浅い。

はっきりいって寝不足。


それでも事務所に行く時間は迫ってくる
今日は土曜日

学校は休みだから朝から事務所に向かうのだ


「おはようございまぁす」

朝から重たそうな機材を運ぶスタッフさんに挨拶

そう、今日はburning upのMV撮影

まだ誰もいない楽屋の扉を開けて、ここにくる途中コンビニで買ったパンを貪りながらスマホを眺めた


涼「あ、おはよ、早いね」

「おはようございまーす」

朝から爽やかな涼太くんは汗ひとつかかずに優雅にカフェラテを飲みながらやってきた

そのあともぞろぞろとやってくるメンバー
亜嵐くんなんて前髪に寝癖がついたままだった

『みなさん、お願いしまーす』

スタッフさんの声に返事をしたみんなは更衣室へと向かう

burning upの衣装に着替えるために。

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